Time WarnerがNetscape部門をソーシャルネットワーキングハブに変えることでよみがえらせようとしているという話は、はかない望みのように思える。
筋金入りのNetscapeファンは、NetscapeがどうにかしてWorld Wide Webの頂上へ、本来あるべき地位へ再び上り詰めるという夢を完全には抑えきれずにいる。
しかし、Internet Explorer(IE)がブラウザの草分けたるNetscapeをあっという間に首位から追い落としたのは、MicrosoftだけではなくNetscapeの飼い主と調教師のせいでもあるという事実に変わりはない。
市場に浸透したWindowsを利用して、MicrosoftがIEを世界のトップブラウザに押し上げるのを目の当たりにしながら、Netscapeが麻痺しているように見えたこともあった。どんな企業であっても、Microsoftがブラウザ市場に照準を合わせた時にその猛攻をかわすには、非常に迅速な対応を取らなければならなかっただろう。
しかし、アップデートを加速し、Netscapeが機能と性能の点でIEの先を行き続けられるよう、もっとやるべきことがあったかもしれない。
「成功した革新的なブラウザ企業」という当初の地位から得られるよりも強力な市場地位をもたらすような業界アライアンスをもっとうまく結成することもできたかもしれない。
Netscapeは単なる過去の栄光の影として、またブラウザとWebポータルの分野での落伍者として生き延びている。
Time Warnerのビジネスの銀河の中で、Netscapeはあと数年、白色わい星として生き続けるかもしれない。だが、あらゆる企業は事業と利益の成長を絶えず求められ、現状に甘んじてはいられないものなのだ。
Netscapeにソーシャルネットワーキング、ブログ、ニュース、情報交換ポータルを加えることで復活させるというアイデアは、オリジナルのコンセプトからはほど遠い。一見したところでは、このアイデアはNetscapeを影から引っ張り出す確実な方程式には見えない。
ValleyWagサイトが報じたところでは、Time WarnerはWeblogsのジェイソン・カラカニスCEOをNetscapeの新しいディレクターに任命する計画だという。WeblogsはAmerica Online(AOL)傘下の企業で、NetscapeとAOLはいずれもTime Warnerの傘下にある。
Webを流れる漠然とした噂からは、カラカニス氏がなぜNetscapeをソーシャルネットワーキングまたはブログポータルに変える役目を命じられるのかが分からない。
Netscapeは既に、女性ライダートップ10や音楽界の反逆児トップ10の写真は言うまでもなく、主要Webポータルにもある典型的なソーシャルネットワーキング機能――パーソナル広告や同好の士のグループ、電子メール――を多数備えている。
とは言え、Netscapeのトップページにブログが欠けていることが目に付くのは本当だ。ブログが何らかの復活の引き金となり、WebサーファーにブラウザのホームページをNetscapeに変えさせるとは想像しがたい。
カラカニス氏と、AOLのプログラミング・製品担当上級副社長ジム・バンクオフ氏は先週サンノゼで開催されたVON(Voice Over Network)Spring 2006 Conferenceで、「破壊的プログラミング」について共同でプレゼンテーションを行った。
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