ニュース
» 2006年03月30日 15時53分 UPDATE

MS、IE変更に60日の猶予――混乱懸念の声も

Microsoftは4月の月例パッチで、IEに特許問題を解決するための変更を加える。一部のWeb開発者には60日間の猶予も与えられるが、この変更が混乱をもたらすとの見方もある。

[eWEEK]
eWEEK

 米Microsoftは、Internet Explorer(IE)でWebページ上のマルチメディアコンテンツをレンダリングする方法を恒久的に変える計画を全力で進めているが、Web開発者がこの変更に備えるための準備期間をさらに60日間提供する予定だ。この変更が破壊的な影響をもたらし得ることを認めた格好だ。

 この変更は、Eolas Technologiesとの数百万ドルの特許紛争に起因するもの。これによりIEがActiveXコントロールを処理する方法が変更される。これは、インターネットでオンライン広告やストリーミングメディアが提供される方法に大きな影響を与える可能性がある。

 eWEEKが入手した情報によると、Microsoftは3月28日に業界パートナーとの電話会議で、この変更を60日間延期する計画を発表したという。この会議で同社の担当者は、問題を避けるためにWebページを完全に書き直す必要があると改めて述べた。

 Webサイトや広告を書き直さない場合、ユーザーはまずActiveXコントロールとJavaアプレットを起動させなければ、これらを利用できないとMicrosoftは警告している。

 MicrosoftのWindowsクライアントプラットフォーム担当ジェネラルマネジャー、マイケル・ウォレント氏は、この変更が4月11日にリリースされるIEの累積パッチに含まれることを認め、60日間の延期は「少数の顧客」にのみ適用されると語った。

 同氏は、一部の企業顧客から、ActiveXコントロールが必要なアプリケーションで大きな障害が起きないように対策を取る時間がもっと必要だとの要望があったことを明らかにした。同氏はリードプログラムマネジャーのケリー・エイクマイヤー氏とともに今回の会議を開いた。

 「これら顧客には、自社のアプリケーションを適切に機能させるための時間がもっと必要だ。当社は、彼らがこの猶予期間中にセキュリティ保護を受けられる方法について率直に話し合った」と同氏はeWEEKの取材に応えて語った。

 この非公開の会議に参加した提携企業によると、Microsoftは4月の月例パッチに加えて、ActiveXコントロールの変更を6月まで無効にする「パッチアップデート」をリリースすることを提案した。

 この猶予期間中に、このパッチアップデートをすべてのマシンには適用しないようMicrosoftは主張した。6月にリリース予定のIEアップデートがすべての変更を無効にするからだという。

 同社が今開発者に強く勧めているのは、IEの変更に合わせてWebサイトとWebアプリケーションのコードを書き直すことだ。

 そうしなければ、ユーザーは最初にマウスをクリックしてActiveXコントロールを起動しないと、APPLET、EMBED、OBJECTエレメントがロードするActiveXコントロールと直接やり取りできなくなる。

 「当社は昨年12月から、顧客とパートナーにこの変更について話してきた。IEアップデートが皆にリリースされたときに起こる事態に備えるよう言っている。企業の大半は、ユーザーにクリックさせる必要がないようコンテンツを修正したが、もっと時間が必要な企業もある」(ウォレント氏)

 28日の電話会議では、この変更のデモも行われた。ある参加者は、Yahoo!が配信する広告コンテンツの一部に影響が出たと話した。

 MicrosoftのChannel9マーケティングサイトも、このデモの際に一部に影響を受けた。

 「これから6カ月、インターネット体験はまったく変わらない」とウォレント氏は語り、顧客と開発者はコンテンツに必要な修正を施すことに非常に理解があったと主張した。

 しかし、複数の情報筋はeWEEKに対し、IEの変更がWindows XP SP2およびWindows Server 2003のIE 6に自動アップデートとしてリリースされたときに、混乱が起きるかもしれないと語る。

 「Microsoftは影響は小さいと言っているが、たくさんのActiveXコントロールやアプレットを用いるアプリケーションがもっと使いにくくなるだろう。ActiveXコントロールを使ったページをロードするたびに、コントロールを起動しなければならない。ユーザーがActiveXコントロールを使ったページAにアクセスしてコントロールを起動し、それからページBにアクセスしてActiveXコントロールを起動し、その後でページAに戻った場合、またActiveXコントロールを起動しなければならない」と匿名希望の情報筋は語った。

 この人物は、ActiveX、Flash、アプレットを使っているソフトベンダーやサイトは、4月11日に問題の変更がリリースされた時に、ユーザーから「たくさんの苦情を受ける」だろうと話した。

 今の段階ではこの変更は任意だが、これが「セキュリティ」パッチとしてリリースされると、多数のユーザーはマルチメディアコンテンツがそれまでと違う方法でロードされたときに何が起きているのか理解できないだろうとこの人物は主張した。

 AdobeのReaderやFlash、AppleのQuickTime Player、MicrosoftのWindows Media Player、RealNetworksのRealPlayer、SunのJava仮想マシンなど、IE内でActiveXコントロールを使うプログラムは広く使われている。

 このActiveXコントロールの変更について詳述したホワイトペーパーがMSDN(Microsoft Developer Network)で公開されている。

原文へのリンク

Editorial items that were originally published in the U.S. Edition of “eWEEK” are the copyrighted property of Ziff Davis Enterprise Inc. Copyright (c) 2011. All Rights Reserved.

Loading

ピックアップコンテンツ

- PR -