米Microsoftは、Webページ上でのマルチメディアコンテンツのレンダリング方法を恒久的に変更するため、Internet Explorer(IE)の新版をリリースした。
この非セキュリティ累積アップデートは2月28日、Windows XPとWindows Server 2003のオプションダウンロードとしてリリースされた。これは、米Eolas Technologiesとの数億ドルに上る特許紛争に起因するものだ。
この修正により、IEユーザーは最初にマウスを1回クリックしてActiveXコントロールを起動しないと、APPLET、EMBED、OBJECTエレメントがロードするActiveXコントロールと直接やり取りできなくなる。
IE内のActiveXコントロールを利用している人気プログラムには、AdobeのReaderとFlash、AppleのQuickTime、Windows Media Player、RealNetworksのRealPlayer、SunのJava仮想マシンなどがある。
Microsoftの広報担当者は、今回の変更は、特定のケースで1回マウスをクリックする以外は「ユーザー体験やパートナーのアプリケーションにはほとんどあるいはまったく影響しない」としている。
同社は、一進一退の裁判――Eolas裁判の判決により、マルチメディアコンテンツの表示を大きく阻害する修正をIEに加えなければならないだろうと警告したこともある――を経て、昨年12月に初めて今回の修正計画の詳細を公表した(12月3日の記事参照)。
昨年12月2日、同社はそれまでの方針を変えて、ActiveXコントロールベンダー、OEMパートナー、コンテンツ企業にこの変更を通達した。この変更は、Windows 2000、Windows XP、Windows Server 2003の今後のすべてのリリースに影響する。
同社の広報担当者は、現在提供されているIEのすべてのバージョンが段階的にアップデートされると話している。
「向こう数カ月のうちに、ほかのバージョンで、2月28日にオプションダウンロードとしてリリースされたようなアップデートが提供される」とこの担当者は述べている。
「これらの変更は、Windows XP向けIE 7とWindows VistaのIE7にも反映される」という。
WindowsファンサイトのActiveWinによると、Windows XP SP2、Windows Server 2003 SP1、Windows Server 2003 R2(これら製品のすべてのSKUを含む)向けアップデートのローカライズ済みフルバージョンが3〜4月に段階的にリリースされるという。
「現時点では、IEあるいはWindowsの旧バージョン向けアップデートはリリースしていない」とMicrosoft広報担当者は話す。ただし、Windows 2000向けIEの修正に関する最終決定はまだ出ていないという。
今回の変更について説明するホワイトペーパーはMSDN(Microsoft Developer Network))で公開されている。
MicrosoftはIEには修正を加えるものの、Eolasとカリフォルニア大学がIEで特許を使われたと主張して5億2100万ドルを勝ち取った特許侵害判決に積極的に控訴すると約束している。
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