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シャープ、今期液晶テレビ販売計画は600万台

» 2006年04月26日 21時47分 公開
[ITmedia]

 シャープは4月25日、2007年3月期の液晶テレビ販売を、台数で前期比50%増の600万台、金額で33.9%増の5500億円とする計画を明らかにした。今期も10%程度の価格下落を見込むが、亀山第2工場(三重県亀山市)の稼働開始などによるコスト削減効果でカバーするほか、海外でブランド力の強化策などを図り、競争力をさらに鍛える。

 2006年3月期の液晶テレビ(10インチ以上)販売は、台数ベースで400万台(国内190万台)、販売高は前期比33.0%増の4107億円(33.0%増)と好調。国内では、液晶テレビで先行してきた「AQUOS」ブランド効果で大幅な価格下落に巻き込まれず、急成長する需要を順調に取り込んできた。

 40〜50インチ以上の大型パネルを効率良く生産できる亀山第2工場の稼働開始を10月に予定しているが、前倒しする可能性が高い。今後は大型フルHDパネルの需要が伸びると見ており、「37インチ以上のフルHDパネルを生産できる会社は限られている」(佐治寛副社長)とフルHDパネルの強化を進める。新工場の稼働で生産効率も向上させ、価格下落分もコストダウンでカバーする。

 同期の設備投資額2190億円のうち、液晶関連が1480億円を占めた。今期も手綱を緩めず、総額2750億円のうち液晶に1900億円を投じる計画だ。

 同社は昨年、パネル不足から海外でソニーらに比べ苦戦。「注文の2〜3割足りなかった」(佐治副社長)という状況だったが、亀山第2工場の生産拡大が軌道に乗るまでは不足が続く見通し。今期目標に掲げた600万台という数字は「これ以上は難しいということ」(佐治副社長)と説明する。

 このため亀山第2工場の生産拡大を急ぐほか、不足を補うため3月以降、台湾Quanta Computer(広達電脳)から月数万台規模で外部調達を始めた。海外向け26インチ製品中心だが、AQUOSブランドは避けてシャープブランドで販売する。AQUOSブランドは海外で広告出稿を倍増するなどし、強化を図っていく。

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