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» 2006年01月11日 18時53分 公開

シャープ、液晶新工場の増強前倒し 大型パネル需要急拡大に対応

大型パネル需要は想定以上──シャープが建設中の亀山第2工場に2000億円を追加投資して稼働を早め、大型液晶の増産を急ぐ。松下がPDPの生産能力拡大を発表したが、シャープは「いずれ大型でも液晶が主流になる」とみている。

[ITmedia]

 シャープの町田勝彦社長は1月11日、都内で開いた年頭会見で、建設中の亀山第2工場(三重県亀山市)の生産能力増強を前倒しし、2007年3月末までに月3万枚(基板ベース)に強化する計画を明らかにした。大型パネルへの需要が想定を超えるペースで拡大しており、第8世代(2160×2400ミリ)基板に対応した同工場の稼働を早める。

 町田社長は「2007年にも大型で液晶がPDPを上回ると思っている」と述べ、PDPが強いと言われてきた37インチ以上の大型分野でも液晶が主流になるとの考えを示した。

 前日には松下電器産業が世界最大のPDP工場を新設する計画を発表しており(関連記事参照)、液晶とPDPは今年以降、大型分野で正面対決することになりそうだ。

photo 町田社長

 第2工場は今年10月に予定していた稼働開始を「できるだけ前倒しするべく取り組んでいる」(町田社長)。第2期展開として当初2007年末までにとしていた月1万5000枚→3万枚への増強は2007年3月末までに前倒し。同年中に月6万枚に、2008年度中に予定しているフル稼働時には月9万枚に引き上げる。同工場には2007年までに2000億円を追加投資し、総投資額は3500億円に上る見込み。

 現在の亀山第1工場も増強し、150億円を投じて現在の月5万1000枚を今年3月には月6万枚に拡大する。第2工場がフル稼働する2008年、同社生産能力は32インチ換算で年産2000万台になる見込み。

 昨年、海外でソニーらに比べ液晶テレビの販売で苦戦したが、町田社長は「誤解しないでほしいが、パネル不足でシェアを落とした。OEMへの供給責任もあり、あえて自社ブランドをあきらめて外販にまわした部分もある」と述べ、生産能力の増強でパネル供給が増えれば販売も拡大できるとした。

 特に想定以上のペースで大型への需要が拡大しており、第8世代基板に対応した第2工場の稼働を急ぐ。供給過多の懸念については「需給バランスは考えているパネルが足りない、というのが本当のところで、むやみに供給能力を増やしているわけではない。採算が割れるような馬鹿な事業をやる気は毛頭ない」と自信を見せた。

photo Display Searchの予測では、37インチ以上の大型ではHDパネルで2007年に液晶がPDPを上回り、2008年には全タイプで液晶がPDPを上回る(写真)。町田社長は「われわれは2007年にもそうなると思っている」

 次の新工場について町田社長は「今年の年末にも動き出さなければならないかもしれない」と話し、立地は「日本にこだわりたい。部材メーカー、装置メーカーと協力し、まだまだ技術革新もあるだろう」と述べた。

 今期業績は「昨年10〜12月期は好調だった」(町田社長)と目標の連結売上高2兆6000億円は十分達成できる見込みだとした。2007年3月期は連結売上高で過去最高の3兆円を目指す。設備投資は総額2750億円を計画し、うち液晶に1900億円、太陽電池に70億円を投じる予定。

photo 亀山第2工場に投入される第8世代マザーガラス(2160×2400ミリ)と町田社長
photo ガラス基板の厚さは0.7ミリの極薄。会見会場に展示する際に「2枚割ってしまった。歩留まり33%」(同社)

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