シャープは1月12日、都内で2005年の年頭記者会見を実施。町田勝彦社長が、同社の主力事業である液晶テレビ事業について語った。
「私が1998年に社長になったとき、2005年までに国内のカラーテレビを液晶テレビに置き換えると発言したが、その目標は昨年にほぼ達成できたと思っている」(町田氏)
年頭会見でのこの町田氏の第一声は、しっかりと数字に裏付けられている。液晶テレビ「AQUOS」の累計生産台数は、2001年の第一号機発売から昨年12月28日までで累計500万台を達成(別記事参照)。同社によると、2001〜2004年までのプラズマを含む薄型テレビ世界総需要は約1400万台と予測されているので、実に世界の薄型テレビの約3台に1台がAQUOSということになるのだ。
「最初の100万台達成までは約2年かかっているものの、200万台達成は10カ月、300万台達成は7カ月、そして400万台から500万台までは約3カ月で達成した。これをみても、液晶テレビの市場が急速に立ち上がっているのが分かる」(町田氏)
だが、昨年前半はアテネオリンピックなど特需もあってデジタル家電が好調だったが、後半からデジタル景気に若干かげりが出てきているという声もある。さらに今年は液晶で競合の韓国メーカー各社の新世代工場が本格生産に入っていく。一方で、地上デジタル放送の普及が本格化するなど追い風もある。
「昨年後半からの不透明感は今年も続くとみており、テレビ市場での激しい競争は当分続くだろう。市場は激化するだろうが、急拡大が見込まれる大型テレビ向けに関してわれわれは“次の展開”を考えている」(町田氏)
液晶No.1メーカーをキープしていくための同社の“次の一手”は、生産力のさらなる増強だ。
同社は現在、第6世代の亀山第1工場で月産2万7000枚のマザーガラスを投入しているが、今年4月に第1工場の生産ラインも増強し、生産能力を月産4万5000枚まで拡大する予定。
さらに同社は本日1月12日、大型液晶パネルの生産拠点である亀山工場(第1工場)の敷地内に新たに第2工場を新設すると発表した。約1500億円の設備投資を行って、基板サイズ2160×2400ミリの大型マザーガラスを採用する“第8世代工場”を建設するという。
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