各チームに、サポート島民が1人ずつ付き、島内を案内する。白砂のビーチ「泊浦」を見下ろす高台や、80度の温泉と海水が混ざり合った天然温泉「地鉈(じなた)温泉」――島の名所を、徒歩や車でめぐる。降りしきる雨。ずぶ濡れになりながら、島の魅力を確かめる。
商店や観光案内所にも立ち寄り、生の声を聞く。「島の生活で、困っていることはありませんか?」「ITのイメージは?」「島の自慢は?」――戦士たちの矢継ぎ早な問いに対して、仕事もそこそこに、丁寧に答える島民たち。戦士の小さな要望にも、全力で答えようとする。
「ITは、よく分からない」「ネットショッピングはよく使うが、クール宅急便が届かないから生鮮食品が買えない」「自然と景色と人の温かさ、ゆっくりと流れる時間が最高」――新情報が続々と入る。
午後4時。ITセンターに駆け戻ると、2階で待っていたのは約30人の島民たち。お茶と菓子を片手に、さらに深い事情を聞く。「普段何して遊んでる?」と子どもたちに聞いたり、「医療事情は?」「子育ては?」とお母さんに尋ねたり――聞いた内容をノートPCや、各チームに1台ずつ配られたW-ZERO3に次々にメモしていく。
午後6時。宿に戻ってあわただしく夕食を済ませると、戦士たちは港に招かれた。船の待合所で、島民挙げての大歓迎会。島焼酎にメダイやシマアジの炭火焼、マグロの刺身、アシタバのてんぷら――ごちそうが戦士たちの胃と心を満たし、徹夜の活力を補給する。
「明日のプレゼンではぜひよろしく」――島民に声をかけ、得票活動に奔走したり、他チームと腹を探り合い、けん制し合う光景も。宴に酔っても勝負は続く。
午後10時。宿に戻った戦士たちは、休息の暇もなくプレゼン準備を進める。残り時間は12時間を切った。PowerPointを作り込み、プレゼンを練習する。「難しい言葉を使わずに説明するには」「“PDA”じゃ島の人に分かりづらい。どう言い換えよう」「間に合うか?」――昨晩からほとんど寝ていないが、休んだら負けだ。夜を徹して作業が続く。
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