織物の立体・変形形状を事前シミュレーション
愛知県産業技術研究所 尾張繊維技術センターは6月9日、織物の表面の様子や、曲面に使用した場合の変形形状を予測するコンピュータシミュレーション手法を開発したと発表した。自動車のシートに使用する際などに実際に織物を当てる必要がなくなり、開発機関を大幅に短縮できるという。
電子機器などの設計ではCAE(Computer Aided Engineering)が一般的だが、織物ではわずかな力でも糸が大きく変形するため、正確な3次元モデルの生成が難しい。このため、さまざまな条件で多種類の織物を試作し、最適な条件を選ぶという人海戦術的な方法で設計するのが現状という。
同センターは課題解決に向け、2003年度からコンピュータシミュレーション手法の開発に取り組んできた。開発した手法では、糸の太さなどの設計条件と、糸の圧縮特性などの物理条件を入力すると、織物の内部構造の3次元モデルを生成する。実際の織物と同じ楕円の糸断面にも対応し、精密な形状予測が可能になっているという。
新手法を導入することで、織物を織らずに変形形状を確認できるため、試作回数を減らし、コストと手間の削減にもつながると期待している。「通常は半年以上かかっていた開発期間を、最短で数時間まで短縮できる」(同センター)という。
新手法を広く活用してもらうため、同センターは技術移転を希望する企業を募集する。繊維関連企業のほか、新技術の製品化を目指すソフトメーカーも想定している。
6月13日に都内で開かれる繊維学会で公表するほか、6月29日には成果の普及講習会を一宮市内で開く。詳細は同センターのWebサイトで。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
キオクシアに約366億円の賠償命じる判決 米特許訴訟、陪審評決に続き 「あらゆる法的手段講じる」
-
2
「コードは一行も書いていない」 アイドルの宮本佳林さん、AIで配信システムを丸ごと構築 “技術ブログ”が話題
-
3
BASE子会社、最大885万件漏えいか カード番号の一部も ECサイト構築サービスに不正アクセス
-
4
講談社、最大3812件の個人情報流出 社員がフィッシングメールに騙される
-
5
個人情報含む約3300万件のデータ漏えいか 整体院予約など手掛けるEPARKリラク&エステ システムに不正アクセス
-
6
ミャクミャク関連サイトがアダルトサイトに……大阪万博のドメイン運用終了→転用続出で物議 悪用の懸念も
-
7
つい見せたくなる延長コード、開発したのは東大阪の電線メーカー 3000万円の機械導入で思いを形に
-
8
Apple、大量購入品の返品に「15%の手数料」 販売条件に明記 “転売対策”か
-
9
エルヴィン団長「とりあえず再起動しろ!」──NTT東日本×「進撃の巨人」の“情シスあるある”広告が話題
-
10
引きこもりはゲーム内でも交流を好まない、奈良先端大が587人調査 「ゲームで社会復帰」に落とし穴?
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR