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児童への性的勧誘、ネットでは減少

» 2006年08月10日 16時06分 公開
[ITmedia]

 児童がオンラインで性的コンテンツに遭遇することは増えたが、性的な勧誘を受けることは少なくなった――米国児童失踪・児童虐待センター(NCMEC)は8月9日、このような調査報告を発表した。

 この調査はニューハンプシャー大学の研究者が全米で実施したもの。それによると、10〜17歳のインターネットユーザーのうち、望んでいないのに性的コンテンツに遭遇したことがある割合は前回調査(1999〜2000年)では25%だったが、2005年には3分の1に増えた。この増加は、ポルノ業者の積極的なマーケティングや、インターネット接続・コンピュータの速度や容量の向上などが原因だと報告書には記されている。

 またオンラインで嫌がらせ(脅迫やその他攻撃的な行為・投稿)を受けた割合は6%から9%に増加した。これは、若者のネットマナーの欠如を示す傾向の高まりと一致しているという。

 しかしながら、オンラインで性的な勧誘(性的な行為や話をしたり、個人の性的な情報を打ち明けるよう求める行為)を受けた児童の割合は減っており、前回調査では5人に1人だったが今回は7人に1人だった。これは児童が用心深くなり、チャットルームにアクセスしたり、オンラインで知らない人と話をすることが減ったからだという。啓発のメッセージやメディアの報道にある程度の効果があったのではないかと報告書では述べられている。

 ただし、オフラインでの性的勧誘は減少していないという。「オンラインでの性的勧誘が減ったのは喜ばしいが、オフラインでは減少していないのが気掛かりだ。嫌がらせや性的コンテンツへの遭遇が増えていることも不安だ。変化するオンラインでの児童のリスクに対し、予防策を取る必要があるということだ」とNCMECのアーニー・アレン会長は述べている。

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