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» 2006年08月14日 16時55分 UPDATE

性的指向まで分かる? Amazonの「ギフトお勧め」特許

Amazon.comが、プレゼントを買うためのシステムに関する特許を出願。ユーザープロフィールや過去の買い物パターンなどからユーザー情報を収集し、お勧めのギフトを決める。

[Evan Schuman,eWEEK]
eWEEK

 サンタクロースがAmazonを使って、プレゼントを贈る相手がいい子にしていたか悪い子だったかだけでなく、イスラム教徒か、同性愛者か、無職かまで把握できるようになる――もうすぐそうなるかもしれない。

 Amazon.comは8月10日、同社の顧客がAmazonサイトを使ってほかのAmazonユーザーの情報を収集できるようにするプロセスの特許を出願した。このプロセスで収集できる情報には、「誕生日、関心、職業、学歴、所得水準、所在地、人種、民族、宗教、性的指向」が含まれるという。

 Amazonはこれらの情報を「ユーザープロフィール、過去の買い物パターン、公開されているデータベース」など複数の手段から取得し、「特定の商品を贈るのに適した相手の属性(宗教や人種など)」に基づいてお勧めを提示すると出願書類には記されている。

 同社の担当者は、現時点ではこのようなシステムを導入する計画はないと慎重にコメントした。

 また公平を期して言うと、大企業は通常、自社の知的財産を保護し、また(こちらの方が重要だが)将来に向けた選択肢を確保しておくために米特許商標庁にこのような特許出願を多数行っている。大企業がまったく使わない特許を多数申請しても、珍しいことではない。

 とは言え、今回のAmazonの特許出願はプライバシー擁護派には受け入れられないだろう。

 そうした擁護派の1人、リズ・マッキンタイア氏は、RFIDの採用に反対する書籍「Spychips: How Major Corporations and Government Plan to Track Your Every Move with RFID」の著者の1人。この書籍はAmazonで売られている。

 「消費者は常に、身元を特定できる形での決済や個人情報の提供を伴う買い物をする際に慎重に考えるべきだ」と同氏はeWEEKの電話取材に応えて語った。「このAmazonの特許出願を見れば、後になって害になるかもしれない個人情報がどのように流出しているのかを慎重に考えなくてはならない理由は明白だ」

 マッキンタイア氏は、同氏と共著者は、Amazonが「顧客情報の尊厳を保証できなければ」、著書紹介ページからAmazonへのリンクを引き上げて、「もっとプライバシーを大事にするオンライン書店を探す」ことも考えているとまで話している。

 「Amazonがこのシステムを使っていないことに安心したが、同社が収集したデータがいつか新しい使い方をされるのではないかと懸念している。この出願書類を読んで、共著者とわたしは、自分たちのWebサイトからのAmazonへのリンクを再考しており、このサイトの会員にAmazonの意図や行動について警告する方法を考えているところだ」

 Amazonが出願した特許は、「ギフトクラスタリング」に関するもので、Amazonの顧客が別のAmazonユーザーのためにギフトを購入するときに使われると説明されている。クラスタリングとは、特定の好みを持つ人に適した一群のギフトをまとめたもの。出願書類には次のような例が挙げられている。「『犬の飼い主』という名称のギフトクラスタ122番を選んだ場合、そのギフトクラスタが現在選択されているギフトクラスタになり、『犬の飼い主』が『母の誕生日プレゼント』に置き換わる」(Amazonの特許書類を作成した人は、感傷的なものが苦手なようだ)

 ある水準では、この関連づけの手法は、Amazonが既に商品推薦システムでやっていることや、TiVoが視聴者の視聴パターンや履歴に基づいてテレビ番組を推薦する方法と似ている。

 Amazonの手法の欠陥は、消費者が商品を自分で使うために買っているのか、誰かのために買っているのか区別できない点にある。この欠陥は現時点では大きな問題ではない。ほとんどの消費者は明らかに不適切なお勧めを除外できるからだ。

 だがこれは、Amazonがユーザーに自分用の商品を推薦する場合よりも、他人のためのギフトを推薦する場合に大きな問題になるかもしれない。第三者には、バレエやパン作りが好きなのは、実はギフトを贈ろうとしている相手の姪だということが分からないかもしれない。それを知らずに購入パターンを分析しても、間違いだらけになってしまう可能性がある。

 Amazonの出願した特許は、データ収集の方法をかなり具体的に説明しており、次のように記している。「このシステムは幾つかの実施例において、ユーザーが定義した適切なギフトクラスタを自動的に検索できる。例えば、たとえ顧客がギフトを贈る相手の(年齢などの)統計的情報や関心事を知らなくても、このシステムはそのような情報(ユーザープロフィールや過去の購入パターン、公開されているデータベースなど)にアクセスできるかもしれない。その場合、このシステムはギフトの贈り先を提示されたら、関連する個人情報や属性情報にアクセスして、自動的にそれらの情報に合致するギフトクラスタを検索する」

 出願書類には次のような例も挙げられている。「一部のあるいはすべての商品が、属性情報と関連付けられるかもしれない(例えば、玩具と特定の年齢層、特定の性別と健康関連の商品など)。そうなれば、あるギフトクラスタの複数の商品に関連付けられた属性情報を組み合わせて、そのギフトクラスタを総合的に分類できるかもしれない」

 「あるいは、このシステムは、あるギフトクラスタの商品を贈られた顧客に関する情報を(検索の際に指定された情報や、ユーザープロフィールなどから)長期的に追跡し、そうした過去の顧客の情報を収集することでそのクラスタを分類し、将来ギフトを贈る相手を特定する際に役立てられるかもしれない」

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