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» 2006年08月31日 15時59分 UPDATE

ウチは電波、ソトはネットで――KBS京都の情報発信

「京都情報は、放送エリア内だけでは商品にならない」――KBS京都は、ネットを通じて京都情報をエリア外に発信し、京都情報を“商品化”していく。

[ITmedia]

 京都放送(KBS京都)は昨年から、ネットを使った京都情報の発信に力を入れ始めた。京都のおまもり検索サイト「OMAPITA」や、同社社員が足で稼いだ紅葉情報を掲載するサイト「京都紅葉情報」など、手作りの温かみがあふれるサイト作りを進め、ネットの住人を京都にいざなう。

 同社は京都で唯一の民放テレビ局。設立以来55年間、京都の観光から生活まで、多様な情報を取材を通じて蓄積してきた。「京都情報は、放送エリア内だけでは“商品”にならない」――同社デジタル推進局の砂田和?さんはこう語り、京都情報の“流通ルート”としてネットに期待する。

画像 京都紅葉情報

 同社の電波を受信できる京都エリアに住む人にとっては、観光情報より生活に密着した情報が重要。観光情報はむしろ、エリア外に住んでいる人に発信してこそ価値が出る。電波ではエリア内向けの生活情報を発信し、ネットを使って全国に観光情報を発進していく戦略だ。

 ネットによる情報発信第1弾は、昨年11月にオープンした「京都紅葉情報2005」。社員が通勤途中に紅葉の名所に立ち寄り、紅葉の進み具合をデジタルカメラで撮影、公開した。各名所からは取材許可をもらい、2日に1回程度の頻度で紅葉の進み具合をレポート。京都の観光名所と取材を通じて築いてきた良好な関係が生きた。

 プロのカメラマンによる写真を掲載することもできたし、名所にライブカメラを置くだけでもよかった。しかしあえてアマチュアの社員に足を使って撮りに行ってもらうことで「行っている人のワクワク感を出したかった」と砂田さんは狙いを語る。

画像画像 紅葉情報同様に、桜の開花情報も「桜日記2006」で配信した(画像左)。五山の送り火のライブカメラ中継も実施。中継サイトでプレゼントした消し炭は、砂田さんら社員で拾ってきて同社の会議室で匂い袋に詰めたという

欲しい情報、観光客目線で

OMAPITA

 昨年12月にオープンした「OMAPITA」は、「恋愛」「健康」などご利益からお守りを検索できるサイト。京都に遊びに来ていた砂田さんの友人が、お守りを探しあぐねていたのが開設のきっかけだ。

 「京都のお守りは、デザインが工夫されていてきれい」――お守りはそれぞれ高解像度の画像を付け、解説文にはお守りを売っている神社や寺のアクセス情報も入れるなどし、京都に買いに来たい、と思ってもらえるよう工夫した。

 ポッドキャスティングも始めた(関連記事参照)。京ことばを紹介する番組や、京都検定にまつわる情報を配信中。ダウンロード数は月間2000程度だが、特別番組として配信した祇園祭のコンテンツは5000ダウンロードを稼いだ。

画像 砂田さん。同社は地上デジタル放送を今年4月にスタートした。各地のライブカメラ情報を一覧表示し、アクセスの多い上位3位までは放送波で、4位以下はネットで送信する仕組みなどを実験している

 京都の豊かな文化はそれぞれ、人気コンテンツになる可能性を持っている。同社はこれまで培ってきた地元との関係を生かし、京都の文化を順次ネットコンテンツ化。各サイトをまとめたポータル「LOVE*KYOTO」も開設し、全国からアクセスしてもらえる京都情報サイトを目指す。動画や音声などテレビ・ラジオ素材が生かせる環境の構築も進め、広告などから収益をあげたい考えだ。

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