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Intel、世界初のハイブリッド・シリコンレーザーを開発

» 2006年09月19日 12時23分 公開
[ITmedia]

 米Intelとカリフォルニア大学サンタバーバラ校(UCSB)は9月18日、通常のシリコン製造プロセスによるハイブリッド・シリコンレーザーの開発に世界で初めて成功したと発表した。

 研究者らは、リン化インジウムの光を放射する性質と、シリコンの光をルーティングする機能を、1つのチップに組み込んだ。このチップに電圧をかけると、リン化インジウムで生成された光がシリコンの導波路に入り、レーザー光線を放射し続ける。シリコンは大量製造が可能なため、シリコンによるレーザーでは、大幅なコスト削減が期待できる。

 今日さまざまな電気製品に使用されているシリコンは、光のルーティング、検知、調節、増幅にも利用可能だが、光を効率よく放射することはできない。一方リン化インジウムによるレーザーは、現在通信機器で広く利用されている。しかし、シリコンのレーザーとリン化インジウムのレーザーを併用、あるいは組み合わせるとなると、コストがかさむのが難点だった。

 新開発のハイブリッド・シリコンレーザーでは、光の生成と増幅のためのリン化インジウムに、レーザーを制御するためのシリコン導波路を組み合わせた。同レーザー製造工程では、低温の酸素プラズマを用い、両素材の表面に極薄の酸化層を精製。熱を加えてその酸素層同士を接着、1つのチップを作っている。

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