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毎秒10コールで処理に遅れ 「ひかり電話」障害起こした不具合

» 2006年09月25日 20時36分 公開
[ITmedia]

 NTT東日本の光IP電話「ひかり電話」が3日連続でつながりにくくなった問題で、NTT東日本は9月25日、障害につながったソフトウェア不具合などについて、詳細を説明した。

 最初に障害が起きた9月19日は、連休明けで通話が集中し、処理が遅延してつながりにくくなった。調べたところ、ビジネスタイプの呼制御サーバのうち、1つの電話番号で複数のゲートウェイ機器にまたがって着信させるオプション機能「複数ゲートウェイスリップ機能」のソフトウェアに、高負荷時に処理遅延が生じることが確認されたという。

 具体的には、スリップ接続先のゲートウェイを特定するための検索処理に不具合があり、毎秒10コール程度の呼数で処理遅延が起きていた。このため、同機能のユーザーへの通話が増加するに伴い処理遅延が発生。呼制御サーバ、中継系呼制御サーバが輻輳(ふくそう)し、つながりにくい状態になったとしている。

 翌日は、前日の輻輳から回復した際に中継系呼制御サーバに不要な情報が残っていたため、所定の性能を発揮できずに輻輳に至ったという。21日は、原因が判明するまでの処置として通話規制を実施しながら運用した。

 最初の障害の原因となったソフト不具合は、処理遅延が生じる呼数を毎秒100コール以上に改善。高負荷時でも高速に処理できるようにした。今後は設備増設工事を前倒しして実施するなど、信頼性向上と故障対応の迅速化に取り組むとしている。

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