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ベクター、公開ソフトの一部がウイルス感染

» 2006年10月02日 19時22分 公開
[高橋睦美,ITmedia]

 ベクターは9月29日、9月27日の午前1時から午後1時30分ごろまでの間、同社のソフトウェアダウンロードサイトにウイルスに感染したソフトウェアが掲載され、ダウンロード可能な状態になっていたことを明らかにした。

 同社によると、ウイルスに感染したソフトウェアが公開されていたのは、フリーウェアやシェアウェアなどを掲載している「ベクター・ソフトウェア・ライブラリ」(http://www.vector.co.jp/)。公開されていたソフトウェアのうち、3986タイトルがウイルス「Win32/HLLP.Philis.av」(McAfeeでの名称)に感染していた。同社のログ情報によると、実際にダウンロードされたのはこのうち807タイトルで、計7873回ダウンロードされた可能性があるという。

 Win32/HLLP.Philis.avはファイル感染型のウイルス。感染したファイルを実行すると、ローカルマシンおよびネットワーク上の共有フォルダにある実行ファイルに感染するほか、レジストリの改変などを行う。また、特定のオンラインゲームのアカウント情報を取得する可能性も高いという。

 ベクターは9月27日、同社社内ネットワークでこのウイルスが発見されたことを受け、ファイルのダウンロードを一時停止。公開用サーバに置かれたファイルへの感染の有無を確認していた(関連記事)

 ウイルス感染の詳しい経路は調査中というが、まず、社内のローカルマシン1台がこのウイルスに感染。ネットワーク共有経由で段階的に感染が広まり、本来は別システムになっている公開用Webのソフトウェアにまで感染が及んだものと見られるという。なおベクターでは3種類のウイルス対策ソフトウェアを併用して公開ソフトウェアのチェックを行っていたが、新たに登場した亜種であったため、検査の網をすり抜けた可能性が高いという。

 ベクターでは、ウイルスに感染した可能性があるソフトウェアの一覧を公表するとともに、該当したソフトウェアをダウンロードしていたユーザーに対し、ウイルス対策/駆除を呼びかけている。

 なお、ソフトウェア販売サイトの「ショップ」と美少女ゲーム専用サイト「galge.com」には、ウイルス感染ソフトウェアはなかったという。

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