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» 2006年11月22日 19時57分 UPDATE

ライブドア、金融部門を一括売却

ライブドアは、証券会社などを傘下に持つ金融部門を一括売却する。同社が回収する現金は貸付債権などを含め551億円。同部門と決別し、ポータル事業に集中する。

[ITmedia]

 ライブドアは11月22日、金融部門を投資ファンドのアドバンテッジパートナーズに売却すると発表した。貸付債権などを含む実質的な売却額は約551億円。

 金融部門は2005年9月期で連結営業利益の8割を稼ぎ出していたが、今年1月に証券取引法違反事件が発覚して以降、顧客の流出などが相次ぎ、収益性は悪化していた。ライブドアはポータル事業に集中する。

photo LDFHの清水社長(左)とアドバンテッジのフォルソム共同代表パートナー

 ライブドア証券や電子マネーのビットキャッシュ、商品先物取引のライブドアコモディティなど7子会社を傘下に持つ金融持ち株会社・ライブドアファイナンシャルホールディングス(LDFH)の発行済み株式の100%(8100株)を、12月20日にアドバンテッジパートナーズに譲渡する。

 譲渡額は175億7700万円。ライブドアがLDFHとその子会社に持つ貸付債権約376億円は段階的に返済を受ける予定で、最終的にライブドアが回収する現金は約551億円になる見込み(受取利息と譲渡額の調整額を除く)。

 LDFHの清水幸裕社長は留任する。清水社長はライブドア本体の代表取締役副社長を兼任しているが、辞任する方向。LDFHは社名を変更し、独立した金融機関として再出発する。

 アドバンテッジパートナーズは国内バイアウトファンドの草分け。ライブドアの平松庚三社長が当時社長を務めていた弥生(旧インテュイット)や、飲料メーカーのポッカコーポレーションのマネジメントバイアウト(MBO:経営陣による企業買収)などに関わった実績を持つ。

 今後、清水社長や社員らが出資してMBOの形態に移行する計画。アドバンテッジパートナーズは投資期間として3〜5年間を見込み、株式上場を視野に企業価値向上を支援していく。

ポータルに集中するライブドア、金融事業と決別

 金融部門はライブドアの収益に大きく貢献してきたが、証取法違反事件以降は取引先や人材の流出が相次ぎ、現在は「まったく貢献できていない」(清水社長)という状態に落ち込んだ。

 ライブドアの証取法違反で有罪が確定した場合、同法の規定でライブドアは証券会社への出資比率を20%未満に下げなければならない。このため今後ライブドア証券の主要株主であり続けることは困難な上、金融・商品先物取引や貸金業の許認可も厳しくなると判断。ポータル事業への集中を打ち出したこともあり、公判中の堀江貴文元社長が自家薬籠中のものとしてきた金融事業との決別を決めた。

 スポンサー探しは5月から開始。子会社の個別売却を含め、事業会社やファンドなど数十社と交渉を進めたという。複数回の入札を経て、最終的にアドバンテッジパートナーズへの売却を決めた。

 アドバンテッジパートナーズのリチャード・エル・フォルソム共同代表パートナーは「LDFHはすばらしい顧客と従業員で構成されている。事業に対する熱意など、デューデリジェンスの過程で感銘を受けた。一連の事件で難しい状況になったが、それを離れれば素晴らしい力がある」とLDFHグループの潜在力に魅力を感じたと説明した。

 清水社長は再出発に当たり、(1)コンプライアンス順守の徹底、(2)ネット事業で培ったスキル・ノウハウを活かした独自の金融機関としての企業文化構築、(3)顧客ニーズの把握と実現──という「3つの約束」を挙げ、「信用回復を図り、顧客に安心して取引してもらえる金融機関に」と話した。今後はライブドアにこだわらず、広範囲に提携企業を求めていく方針だ。

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