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国家によるネットジャーナリストの逮捕が増加――CPJ調査

» 2006年12月09日 08時05分 公開
[ITmedia]

 国家により逮捕・拘束されたジャーナリストの数は2年連続で増加中で、中でもネットジャーナリストが増えている――ジャーナリスト保護委員会(CPJ)が12月7日、年次調査結果を発表した。

 調査によると、2006年は12月1日時点で、世界で134人のジャーナリストが国家により拘束されており、2005年末の125人から増加している。メディア別に見ると、新聞や雑誌など、紙媒体のジャーナリストが67人で最も多く、次に多いのはインターネットを中心に活動するジャーナリストで49人。ネットジャーナリストの逮捕者は、1997年の調査で記録されて以来、増加の一途をたどっている。

 国別では、最も多いのは8年連続で中国で、31人のジャーナリストを拘束している。2位はキューバで24人、3位はエリトリアの23人、以降エチオピア(18人)、ビルマ(7人)と続く。容疑としては、国家転覆や国家機密の暴露などの「反国家」的なものが最も多いが、起訴や裁判なしに拘束されるジャーナリストも増えており、エリトリアにより拘束されているジャーナリストの半数以上に当たるという。米国も、アルジャジーラのカメラマンなど2人を起訴なしに逮捕・拘束しているといい、CPJでは両国当局に対し、詳細情報を求める書簡を送っている。

 今回発表されたCPJの調査は、年末時点での拘束者数の推移を示しており、拘束された年のうちに解放されたジャーナリストの数は含まれない。また、犯罪者集団や軍など、国家以外の集団により拉致されたり、行方不明となっているジャーナリストの数も含まれていない。

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