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なぜ“今さら”ウィキペディアがWeb of the Yearなのか

» 2006年12月11日 16時31分 公開
[岡田有花,ITmedia]

 先週のアクセストップは、「Web of the Year 2006」受賞サイトが決まった、という記事。今年を代表する年間総合大賞は、オンライン辞書「ウィキペディア」に決まった。

 ウィキペディア日本語版は2002年にスタート。2003年にはメディアに取り上げられ、急成長したとウィキペディアに記載がある。黎明期からネットを見てきているユーザーにとっては“あって当たり前”の存在。2006年になって「今年のサイト」として取り上げられたのはなぜだろうと、記者は疑問に感じた。

 今年3月に公開されたネットレイティングスの調査にヒントがありそうだ。調査によると、ウィキペディア国内訪問者数(家庭からのアクセス)は、昨年2月から今年2月の1年間で3倍に伸びた。ヤフーとグーグルの検索、Yahoo!ニュースのトピックスからたどり着く人が多いという結果で、Yahoo!検索のロボット化やYahoo!ニュースのリーチの高さなどがウィキペディア人気に波及したようだ。

 そういえば、記者は今年、ネットに強くない友人からもウィキペディアの話題を聞くことが何度かあり、「ウィキペディア」を「ウィキ」と呼ぶ人が多いのが気になっていた。彼らにとっては「ウィキに載っていた」イコール「ウィキペディアに載っていた」という意味らしいが、「ウィキ」(Wiki)の本来の意味を知っていると、なんだか混乱してしまう。

 ウィキペディアはWeb of the Yearで得票数ナンバーワンだったそうだ。今年は、一部の濃いネットユーザー向けだったウィキペディアが、一般に開かれ、広く使われた元年だったのかもしれない。

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