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Vistaの企業普及は「1年半で50%超」が目標 XPの倍速

» 2006年12月18日 19時47分 公開
[ITmedia]

 マイクロソフトは12月18日、Windows Vistaの企業向け普及率を1年半で50%強に高める計画を明らかにした。同程度になるまで3年かかったWindows XPの倍のスピードに当たり、同社はVistaへの移行支援策を展開するなどして企業への浸透を図っていく。

 Windows Vistaの企業向けボリュームライセンスは11月30日に提供が始まった(関連記事参照)。米調査会社IDCは、2007年に導入されるWindows全体に占めるVistaの比率は、企業向けで35%と予測している。2008年にかけて80%に達する見通しという(関連記事参照)

 同日、Windows Vistaの導入支援策の一環として、企業がWindowsデスクトップ環境を移行する際に従来アプリケーションで生じる互換性問題を解決するためのソフトウェア群「Microsoft Desktop Optimization Pack for Software Assuarance」(MDOP)を来年1月1日から提供すると発表した。

 MDOPは、米MSが買収したSoftricityのアプリケーション仮想化ソフト「SoftGrid」(関連記事参照)や、企業内PCのインベントリ管理ソフトなどで構成する。

 SoftGridは、ソフト本体とDLLなどを丸ごとパッケージ化し、サーバからクライアントPCにストリーミング配信する仕組み。例えば通常では、Excelの最新版と旧版はDLL書き換えなどが生じるため共存できないが、SoftGridを使えば各版を同時に起動して使用でき、バージョン間でデータを共有し合いながら作業を行うといったことも可能になる。

 一度配信を受けた後はローカルのキャッシュに保存され、そこから起動できるようになる。利用するバージョンを部門ごとに一括管理する仕組みなども備えており、Vista移行のネックになる互換性や、企業内PCにアプリケーションを導入展開する手間とコストの問題を解決できるとしている。

 1月のリリース時はXP上で動作する英語版SoftGridのみだが、日本語環境にも対応可能としている。同年7〜9月期にVista英語版で動作する英語版を、2008年までにはVista日本語版に対応する計画だ。

 提供対象は、企業向けにサポート権やアップグレード権などを付与する「Software Assuarance」(SA)加入企業のみ。SAライセンスのアドオンサービスとして、年間1200円のサブスクリプション制で提供する。

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