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AppleScriptでマルウェアも簡単に作成?

» 2006年12月28日 09時43分 公開
[ITmedia]

 Apple Computerのスクリプト言語、AppleScriptを使うとマルウェア作成も簡単にできる――「カーネルバグ月間」(MoKB)プロジェクトで知られるセキュリティ研究者が、ブログでこう指摘した。

 AppleScriptはMac OS Xの極めて有用な機能であり、MicrosoftのVisual Basic Script(VBS)とよく似ているとブログ筆者は分析。しかしVBSはWindowsのタスク自動化などに役立っている半面、あらゆる種類の新しいマルウェアももたらしたと警告している。

 ブログでは、かつて猛威を振るった「LoveLetter」(ILOVEYOU)ワームのソースコードを例に取り、VBSとAppleScriptの機能を比較した。アドレス帳からのアドレス収集とメール送信、任意のソースからのコンテンツ自動ダウンロード、iChatへのメッセージ送信といったワーム機能は、AppleScriptで簡単に実装でき、場合によってはAppleScriptの方が柔軟性が高いことを紹介している。

 「Appleはまたしても、セキュリティより使い勝手とインテグレーションの方により多くを投資してきた」とブログ筆者は言い、AppleScriptは素晴らしい機能を備え、覚えるのも簡単でOS Xにタイトに統合されているが、これはマルウェア作者が攻撃を仕掛ける上でも好都合だと指摘している。

 VBSがWindowsにおいて「ワームのビッグバン」を引き起こしたのなら、Mac OS Xをめぐっても同様の動きがあるのは必至だろうと筆者。ただ、OS Xのマルウェアに投資する価値があるかどうかという疑問はあると言い添えている。

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