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松下、BDシェア35%目標に 新3カ年計画発表・PDP新工場建設へ

» 2007年01月10日 18時37分 公開
[ITmedia]

 松下電器産業の大坪文雄社長は1月10日、2007年度の経営方針を発表した。「打って出る」をスローガンに09年度に売上高10兆円、ROE(株主資本利益率)10%を目指す新3カ年計画を明らかにし、戦略事業の1つに位置付けたデジタルAVでは、大型薄型テレビで同年度に世界シェア25%以上、Blu-ray Disc(BD)レコーダー/ドライブで同35%以上とする目標を掲げた。

松下電器産業の株価チャート松下電器産業の株価チャート(1年:縦軸の単位は円)

 同時に尼崎第5工場(兵庫県)の新設を発表。2800億円を投じ、42インチで10面取りが可能な最新鋭設備を導入。09年5月以降、月産100万台が可能な世界最大のPDP工場になる。

 今春には42インチフルHDプラズマを投入予定で、今後はフルHD製品を拡充。生産規模の拡大でコスト競争力を高め、37インチ以上の大型で世界25%以上のシェア獲得を目指す。

 デジタルAVでは薄型テレビとBDのほか、デジタルカメラ、ハイビジョンムービーの5つが重点商品。BDレコーダーは昨年2機種を発売しており、今後はH.264などの先行技術をいかして高シェアを獲得・維持していく。

 デジタルカメラは、一眼レフの拡大などでラインアップを増やし、同年度に世界15%のシェア獲得が目標。ハイビジョンムービーではSDメモリーカードを記録媒体にした新製品を起爆剤に、同年度に世界シェア40%が目標だ。

 戦略事業はデジタルAVと、カーエレクトロニクス、生活関連、半導体・デバイスの4分野。戦略事業を中心に3年間で約1.5兆円の設備投資と1.8兆円の研究開発投資を実施する。

 新たな3カ年の目標となる「GP3計画」は、「Global Progress」「Global Profit」「Global panasonic」という3つの「GP」の達成を目指す。従来の「躍進21計画」で掲げた営業利益率5%以上の目標は今年度に達成する見通しで、今後は企業自体の進化と高収益、ブランド力の向上を図っていく。経営指標も「成長と資本収益性を図る」として売上高とROEを選んだ。

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