セキュリティ企業のSophosは1月22日、2006年のマルウェア動向をまとめ、悪質サイトのホスティング、スパム中継とも依然として米国が筆頭に立っていると報告した。
マルウェアを仕掛けたサイトは米国と中国でホスティングされているものが圧倒的に多く、米国が34.2%、中国が31.0%を占めた。マルウェア感染サイトの数は増加傾向にあり、SophosLabsでは1日平均5000ページの悪質コードホスティングURLを発見しているという。
米国はスパム中継国としても22.0%を占めて筆頭に立ち、2位の中国は15.9%だった。スパムメールの90%は、トロイの木馬やウイルスを使って乗っ取られたゾンビコンピュータで中継されていた。
2007年のセキュリティ攻撃は電子メールからシフトして、Webやユーザー投稿型のWebコンテンツがサイバー犯罪に利用されるケースが増えるとSophosは予想する。
従来型のスパイウェアが減少し、これに変わってトロイの木馬が台頭する傾向も見えている。
2006年1月の時点では全感染メールのうち50.43%をスパイウェアが占め、トロイの木馬をダウンロードさせるサイトへのリンクを含んだメールは40.32%だった。しかし同年12月にはこれが逆転。トロイの木馬サイトにリンクさせたメールは51.24%、スパイウェア感染メールは41.87%となった。この傾向は2007年以降も続くとSophosは見る。
マルウェアの内容が国によって異なる実態も判明した。マルウェアの30%は中国で開発され、そのほとんどはコンピュータにバックドアを開くトロイの木馬となっているが、中国で開発されたマルウェアの17%はオンラインゲームのパスワードを盗む機能を持っていた。一方、全マルウェアの14.2%を開発しているブラジルでは、大半がオンラインバンクから情報を盗むことを目的としていた。
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