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松下、売上高を初の9兆円に上方修正

» 2007年02月01日 20時39分 公開
[ITmedia]

 松下電器産業が発表した2006年10〜12月期の連結決算(米国会計基準)は営業利益が前年同期比5%増の1358億円になった。デジタルAVを中心に年末商戦を順調に乗り切り、通期業績予想は初の売上高9兆円へと上方修正した。

松下電器産業の株価チャート松下電器産業の株価チャート(1年:縦軸の単位は円)

 10〜12月期の売上高は2%増の2兆4368億円。「国内ではプラズマテレビの販売シェアは7割になった」(川上徹也副社長)と年末商戦も好調。プラズマは2割以上の価格低下に見舞われたが、大型へのシフトなどで世界全体の販売金額は前年同期比1.3倍の1867億円に伸ばした。11月に発売したBlu-ray Discレコーダーは「2万台を完売し、現在も品不足が続いている状況」(川上副社長)という。一方、携帯電話は減収となった。

 営業利益は5%増の1358億円になり、営業利益率は5.5%に。価格低下による減益分は1588億円に上るが、これに匹敵する合理化でカバーし、円安も追い風になって増益を達成した。税引き前利益は15%増の1444億円。純利益は60%増の787億円だった。

 通期業績予想は、売上高を前回予想から500億円積み増して初の9兆円とした。税引き前利益は300億円増の4300億円、純利益は150億円増の2050億円。

 好調な業績を受けて株主還元を積極化し、500億円・2500万株を上限とする自社株買いを設定し、2月から3月にかけて行う。今期の自社株買いは総額2000億円になり、全額実施後の1株当たり純利益は95.49円(2006年3月期は69.48円)に上昇する見通し。

 同社は先月、2800億円を投じて世界最大のPDP工場を建設する計画を発表(関連記事参照)。だが薄型テレビ市場で液晶勢の勢いが増しており、PDPへの巨額投資のリスクを指摘する声もある。

 これに対し、川上副社長は決算発表会で、「リードタイムや工程数などでPDPは優れており、大画面化すればするほどPDPはコスト優位になる」と強調。「スポーツや映画、ゲームなどのコンテンツを表示するならプラズマがいい」などとプラズマの優れた点を今後はPRしていくという。また「15インチなどの小型を足した数量で台数シェアを出すのは個人的にはおかしいと思う」とも指摘した。

 再建が遅れている日本ビクターについては「いま現在決まっていることは何もない」と述べるにとどまった。

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