ITmedia NEWS > 社会とIT >

国境なき記者団、2007年年次報告書を発表

» 2007年02月03日 07時32分 公開
[ITmedia]

 国境なき記者団は2月1日、世界98カ国で報道の自由がどこまで保証されているかを調査した、2007年の年次報告書を公開した。アフリカ、南北米、アジア、欧州、中東と地域別に分類した報告書も公開している。

 この報告書では、北朝鮮、エリトリア、キューバ、トルクメニスタンでの弾圧のほか、民主主義国の問題も取り上げている。

 2006年、世界全体でのジャーナリストや報道関係者の殺害や投獄が過去最高数に上った。また2007年に入ってから、1月だけで既に6人のジャーナリストと4人の報道関係者が死亡しているという。

 地域別に見ると、2006年、イラクでは65人のジャーナリストと報道関係者が死亡した。誘拐は頻繁に起きており、度重なる約束にもかかわらず、政府は積極的な対策を取ろうとしないと記者団は批判する。

 中南米諸国では、メキシコで12人近いジャーナリストが殺害されたにもかかわらず、犯人は処罰されていない。キューバでは報道関係者の投獄が続き、ボリビアの状況も悪化の一途をたどっている。

 アジアでは、16人が死亡、少なくとも328人が逮捕され、517人は身体的な暴力あるいは脅迫を受け、報道関係の478社が検閲を受けた。アジア諸国では監視が広がり、もはや完全な発言、執筆の自由は失われつつある、と記者団は見る。

 アフリカの政府の多くは、報道関係者に信頼を置いていない。報道関係者の殺害は処罰されず、ガンビアやブルキナファソでは政治権力を握った政治家らが、こうした犯罪者を保護しているという。

 インターネットの監視も強化され、政府批判をネット上に書き込んだために、少なくとも60人が投獄されている。特にオンライン検閲が厳しいのは中国だが、ベトナム、チュニジア、リビア、イランなどでも、ブロガーなどの逮捕が続出している。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.