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各社のポイントまとめて管理 ECナビ、ポイント交換新会社

» 2007年02月05日 18時52分 公開
[岡田有花,ITmedia]

 価格比較サイト「ECナビ」を運営するECナビと親会社のサイバーエージェントはこのほど、新会社「PeX」を設立し、統合ポイント管理サイト「PeX」を2月6日にオープンする。各社のポイントを一元管理し、別会社のポイントに交換できるサービスで、新会社CEOの宇佐美進典氏は「これまで閉じた世界で使われてきたポイントを活発に流通させ、ポイント経済圏を作りたい」と意気込む。

photo PeXの画面イメージ

 PeXでは、ECナビや、サイバーエージェントの「Ameba Blog」などのポイントを、Amazon.jpやセシールのポイントや、EdyやWebMoneyといった電子マネーに換えたり、現金化して銀行口座に振り込むことができる。提携サービスは、開始当初は交換元が8社、交換先が17社だが、2月までに100社との提携を目指す。

 新会社の収入源は、ポイント交換の際に徴収する手数料(5〜20%)と、ユーザーが未使用のまま死蔵したポイントの「退蔵益」だ。ユーザーのポイント使用率は85〜90%と見積もっており、残り5〜20%が収益になると見込んでいる。

 同様なポイント交換サービスは他にもあるが、同社はポイント利用期限を無期限にしてサービスの魅力を高めた。オープンから1年以内に50万ユーザー獲得と、2009年9月期までに年間ポイント交換総額50億円を目指す。


photo イメージキャラクターの牧瀬里穂さん(左)と、宇佐見CEO
photo 「これまでポイントを利用したことはなかったけれど、説明を聞いて『利用しない手はないな』と思った。Ameba Blogでポイントを貯めて、本やCD購入に利用したい」と牧瀬さん

拡大する「ポイント経済圏」

 ポイント市場は拡大を続けている。野村総合研究所によると、国内主要業界のポイント発行総額は4500億円以上。全業界を合わせると1兆円にのぼる、とも言われている。

 ポイントはそもそも、企業がユーザーを囲い込むために開発されたもの。他社のポイントと交換可能にすると、ユーザーが流出してしまうのではないかという疑問もある。

 ポイント交換ルートを案内するサービス「ポイント探検隊」を運営する佐藤温・ポイ探社長は、「ポイント提携は、相互に集客できる安価なツールと認識されてきており、利用が広がっている」と語る。持っていても使えないポイントはユーザーにとって意味がないため、囲い込みのツールにもならない。だがそのポイントも魅力的な他社のポイントと交換できれば、自社ポイントの魅力が引き上げられ、集客にもつながるという訳だ。

 ただ各社のポイント連携を図にすると、「地下鉄の路線図よりも複雑」(佐藤社長)。ポイント連携は今後さらに進み、ポイント連携も複雑になっていく見込みで、ポイントを管理・流通させるサービスは活性化していきそうだ。

photo 複雑怪奇なポイント連携

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