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Apple商標訴訟がついに決着――“Apple”はApple Inc.のものに

» 2007年02月06日 00時06分 公開
[ITmedia]

 ビートルズの管理会社である英Apple Corpsと、MacとiPodのメーカーである米Apple Inc.(旧Apple Computer)が2月5日、和解を発表した。

 Appleという名称と、果物のリンゴを使ったロゴの使用に関して両社が交した1991年の契約は、この和解により大きく変更される。新しい契約ではApple Inc.がAppleという登録商標のすべての権利を所有し、Apple Corpsに対してその商標の継続的な使用をライセンス供与することになる。

 両社の間で争われていた訴訟は終結し、双方の訴訟費用はそれぞれが負担する。Apple Inc.はiTunesに使われているAppleという名称とロゴを継続して使用する。

 和解条件の詳細は明らかにされていない。

 Apple Inc.のスティーブ・ジョブズCEOは、「当社はビートルズを愛しており、彼らの商標に関して対立する関係にあるということはいたたまれないものだった。この件について、前向きで将来についてもいさかいを起こすことのない解決の仕方ができてすばらしい気分だ」と述べている。

 Apple Corpsの株主(ポール・マッカートニー、リンゴ・スター、そしてジョン・レノンとジョージ・ハリスンの遺族を含む)を代表するコメントとしてマネジャーのニール・アスピノール氏は「この論争に決着を付け、その先に進むことができてすばらしい。我々にとって未来は非常にエキサイティングなものになる。Apple Inc.の成功を望んでおり、ずっと平和的な協力関係を継続していきたい」と述べた。

 1月に開催されたMacworld Expoの基調講演でジョブズCEOがビートルズの楽曲である“Lovely Rita”を流したこと社名からComputerを取り去り、Apple Inc.としたことなどから、Apple Corpsとの和解が近いのではとの観測もあったが、米Appleが英Appleに「逆ライセンス」するというアクロバティックな決着となった。

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