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アクションゲームで視力が向上――ロチェスター大学調べ

» 2007年02月08日 07時41分 公開
[ITmedia]

 シューティングゲームのようなアクションゲームを一定期間プレイすると、文字を認識する能力が約20%向上する――米ロチェスター大学が2月6日、調査結果を発表した。

電子視力テストの1画面

 ロチェスター大学のダフネ・バベリエ脳認知科学教授らは実験に当たり、昨年ほとんどビデオゲームで遊んでいない学生を学内から選別。その学生全員に対し、様々なシンボルが交じり合った中で「T」がどの方向を向いているかを識別する、一種の電子視力テストを実施した。

 次に学生たちを2つのグループに分け、1グループの学生には1日約1時間FPS(ファーストパーソンシューティングゲーム)の「Unreal Tournament」を、もう1グループには「テトリス」をプレイしてもらった。

game 「Unreal Tournament」

 約1カ月後に再度同じテストを実施すると、テトリスのグループには変化は見られなかった。しかしもう一方のグループは、Tの方向を以前より簡単に見分けられるようになった。

 バベリエ教授はこの結果について「アクションゲームをプレイするとき、視覚過程を司る脳の経路が変わる。ゲームをすることで視力の限界が押し上げられ、脳がそれに対応するようになる」と分析している。今回の実験から、アクションゲームと同様に、目的のものをすばやく探し出すことが要求されるソフトウェアを開発すれば、弱視患者の治療に活用できる可能性があると教授らはみている。

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