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アッカ、今期は減収・経常益横ばい予想

» 2007年02月15日 20時08分 公開
[ITmedia]

 アッカ・ネットワークスが2月15日発表した2006年12月期連結決算は、経常利益が19億800万円だった。個人向けDSLの減収などで上半期は苦戦したが、下半期はコスト削減などを進め、下方修正した前回予想からは上振れして着地した。だがDSL加入減が続くため、今期の売上高はマイナス、経常益は横ばいにとどまる見通しだ。

アッカ・ネットワークスの株価チャートアッカ・ネットワークスの株価チャート(1年:縦軸の単位は1000円)

 前期の売上高は388億2900万円。主力の個人向けADSLは、高速なFTTHへのシフトが進む中、加入者数の純減が続いた。同社の個人向けサービスの加入者数(FTTH含む)は昨年12月末時点で11万1000で、1年で14万1000減った。個人向け売上高も前期比8.5%減の314億円にとどまった。

 一方で企業向け売上高は21%増の69億円に増加。センサーなどををネットワーク化する「M2M」(Machine to Machine)事業の立ち上がりは遅れたが、光接続サービスのサービスエリア拡大を急ぐなどし、加入者数は20%増の4万9500になった。

 営業利益は18億8000万円、純利益は10億6100万円だった。11月に下方修正した際は経常利益を18億円・純利益を9億円としていたが、販促費の効率的な活用やコスト削減で改善したとしている。

 来期の業績予想は、売上高が366億円、経常利益が19億円、純利益が14億円。個人向けDSLの解約率は前期と同じ2.3%程度で推移する見通し。約1万加入のFTTHや法人向けサービス、先日始めた映像コミュニケーションサービス(関連記事参照)などがDSLの減少を補うにはまだ早く、減収を予想している。WiMAXなど新規領域への経営資源投入は続ける。

 DSLの加入減について、坂田好男社長は「光サービスはNTTの伸びも鈍化しており、アーリーアダプタの需要が一巡してきているようだ。集合住宅には普及したが、戸建て向け料金はまだ割高。個人的には、今後はあまり大きくは変化はしないのではないかと思う」と話した。

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