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EFF、Viacomを「言論の自由侵害」で提訴

» 2007年03月24日 07時59分 公開
[ITmedia]

 電子フロンティア財団(EFF)は3月22日、メディア大手の米Viacomを、言論の自由に反する行為を行ったとして連邦裁判所に提訴した。ViacomがYouTubeに10万本以上のビデオクリップの削除を要求した際、著作権を侵害していないビデオクリップ「Stop the Falsiness」が削除された。EFFは、損害賠償と差し止めのほか、「Stop the Falsiness」が著作権を侵害するものではない、との確認判決を求めている。

 問題のビデオクリップ「Stop the Falsiness」は、米MoveOn.org Civic Actionと米Brave New Filmsが制作。Viacom傘下のComedy Centralで放映されたテレビ番組「The Colbert Report」のパロディーで、番組のホストであるスティーブン・コルバート氏に関するオリジナルのインタビューのほか、番組内の動画が一部使用されていた。「Stop the Falsiness」は、2006年8月にYouTubeに投稿されたが、2007年3月、Viacomによる削除依頼を受けて削除された。

colbert 削除された「Stop the Falsiness」

 EFFの提訴に対しViacomは、「Stop the Falsiness」の削除を要請した記録はなく、「このビデオをレビューしたが、YouTubeに掲載することにまったく問題はない」と記した書簡をEFFに送っている。

 EFFはまた、デジタル・ミレニアム著作権法(DMCA)の下では「著作権侵害だと主張するだけで、実際に不正が証明される前にコンテンツを削除し、制作者を黙らせることができてしまう」とコメント。「著作権の所有者は、DMCAを不正に利用し、YouTubeのようなサイトから政治的なコンテンツを削除する前に、言論の自由について考え、自らの主張を再度チェックするべきだ」としている。

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