欧州委員会は4月3日、欧州連合(EU)共通の特許システムの導入へ向けての提言を行った。加盟国ごとに異なる特許システムを統一することで、特許取得に関するコストの軽減や法的手続きの簡略化を実現できるとしている。
現行の特許システムでは、EU加盟国27カ国中の13カ国での特許取得に、米国での特許取得の11倍、日本の13倍のコストが掛かるという。また現システムでは、ある特許訴訟を複数の国で争う必要が出てくる場合もあり、すべての関係者にとって不要なコストが掛かると欧州委員会は指摘。チャーリー・マクリービー委員は「特許は技術革新や競争力強化のけん引力だが、特許の(EU内での)市場統合はなされていない」と、EU共通の特許制度の必要性を強調した。
EU共通の特許システムについては、過去にも議論が行われたが、司法制度をどの程度EUに一本化するかについて意見が二極化。今後の議論でも、「過度に集権化した司法制度への懸念については考慮されるべき」とし、加盟国間の合意形成を慎重に行う必要性を指摘している。
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