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40周年「リカちゃん」がブロガーに 世界1人旅をつづる

» 2007年04月10日 22時12分 公開
[ITmedia]
photo 海外に1人旅立つリカちゃん

 「もう11歳だし、ステキなレディになるために、とお母さんに言われました」。近くパリに旅立つ小学5年生・香山リカさんが1人で海外旅行に行くのは初めて──着せ替え人形のリカちゃんが、世界各国をめぐる「ワールドツアー」に出かけ、旅先のできごとをブログにつづる。初代の発売から40周年を迎え、発売元のタカラトミーはこんなストーリーで新製品の展開を始める。

 「女の子の憧れ」として親しまれてきたリカちゃんだが、売り上げはピーク時から半分以下に減少。海外に1人で旅立ち、行く先々での出会いや体験を通して成長していく女の子──という「知育」ストーリーを描くことで、昔リカちゃんで遊んだ母親にもアピールしていく。

「写真もいっぱい撮ります」

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 リカちゃんの旅は今月、「おじいちゃんとおばあちゃんが住んでいる」というパリに向かうところからスタート。5月にはイタリア・ミラノ、5月にはアメリカ・ロサンゼルス、8月にはケニア・ナイロビ──といったスケジュールで世界をめぐる。

 パリでは「社交パーティーにお出かけし、テーブルマナーや社交のエレガンスを学びます」、一時帰国して訪問する京都では「日本の美しさを再認識し、日本に生まれた自分について改めて考えます」と、各地でさまざまなことを“体験”する。

photo リカ旅ブログ

 日々の様子は、4月1日にオープンした「リカ旅ブログ」で公開する。リカちゃんは「旅先で見つけたかわいいものとかを書いていきます。写真もいっぱい撮るので見てくださいね」と張り切っている。ブログには音声読み上げ機能も追加し、子どもでも楽しめるようにする。

 年間展開する製品シリーズ「ワールドツアー」は、こうしたストーリーがベース。19日に発売する第1弾は、リカちゃんとトランクなどをセットにした「DEPARTURE」(旅立ち)や、最初の訪問先のパリをイメージした衣装とのセットなど。人形セットは各3990円(税込み)。

ずっと、その時代の女の子の一番のお友だちで

 「1967年の初代以来、累計販売数は5300万体。国民的キャラクター、有料コンテンツとしてリカちゃんは育ってきた」(佐藤慶太副社長)。同社が幼稚園児を持つ母親300人に尋ねたところ、リカちゃんの認知度は「100%」。女の子の憧れとしてピーク時には年間200万体・約50億円を販売したが、現在は100万体・20億円程度に落ち込んでいる。

photo 東京・池袋サンシャインで4月27日〜5月6日に「リカちゃん展 in TOKYO」、横浜人形の家では4月19日〜7月8日に「夢とあこがれの40年展」を開く。横浜のイベントでは、「キタムラ」「フクゾー」などと協力したハマトラ「元町リカちゃん」=写真=を1000体限定で販売

 タカラとトミーが合併した新会社が誕生して1年。リカちゃんの新しい方向性として打ち出したのが「親子」と「おしゃれ知育」という商品コンセプト。旅を通じて成長するリカちゃん、というストーリーを通じ、人形遊びを通して育まれる情操や感性の発達、成長への願いなどを、かつてリカちゃんで遊んでいた母親にもアピール。ブログに音声読み上げ機能を加えるのも、親子でリカちゃんの成長を見守り、それをきっかけに親子のコミュニケーションを深めてほしいという考えからだ。

 発売当時は小学5〜6年生だったターゲットも、今は4〜6歳の幼児が中心という。新シリーズではおしゃれさを高め、年齢層を上げていくねらいもある。JTBとのコラボレーションで、「旅するリカちゃんパリでレディになる 4泊6日」ツアーへの参加者も募集。「ごっこ遊びした内容を実際に体験することができる」という。

 初年度は23億円の売り上げを見込むが、富山幹太郎社長は「ビジネスモデル全体を変えていき、50周年には50億円にしたい。変えていいもの、変えちゃいけないものを見据えながら、続けていけたら」と期待する。

 「ずっと、その時代の女の子の一番のお友だちでいられたら」──発表会に“出席”したリカちゃんはそう話していた。

photophoto 初代リカちゃんは1967年発売。現在は1987年発売の4代目

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