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Vista搭載PCの販売、予想を下回る MS「夏に向けリバウンド」

» 2007年04月23日 19時01分 公開
[ITmedia]

 マイクロソフトのジェイ・ジェイミソンWindows本部長は4月23日、一般販売から3カ月たつWindows Vistaの近況について説明し、同OS搭載PCの販売が当初の予想を下回っていることを認めた。PC各社が夏モデルを発売するのにあわせ、ソフトや周辺機器の互換性が高い点や、マルチメディア関連機能の豊富さを一般ユーザーにアピールする機会を増やすほか、企業の本格導入を支援する策を展開し、「夏に向かってリバウンドできる」としている。

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 Vistaは法人向けに昨年11月、一般向けには1月にリリース。調査会社のジーエフケーマーケティングサービスジャパンによると、PCの店頭販売台数は、1月は前年比7%減、2月は7%増、3月は3%減──という結果。単月で前年比プラスになったのは1年ぶりということもあり、同社は「VistaはPC販売に影響があった」と見ているが、需要期の3月に前年割れとなったのは、個人向けに比べ企業向けが今ひとつだったためという。

 Vistaの機能をフルに活用できる「Ultimate」「Business」「Premium」──同社が呼ぶ「プレミアムエディション」の販売拡大も重要な目標。プレミアムエディション搭載PCの店頭シェアは40%以上となり、OS単体ではDSP版で90%、パッケージ版では87%となり、メーカー製PCも7割がプレミアムエディションを搭載するなど、こちらの目標は順調だ。

 販売拡大では、国内PC市場の6割を占める法人市場の出遅れ対策が急務。コンシューマー向けにマルチメディア関連機能の豊富さをアピールしてきたが、こうした機能を「PCリソースの無駄遣い」として企業は敬遠している可能性もあり、従来から使っている業務アプリケーションの互換性への不安などからも、Vista導入に慎重な企業がほとんどだ(関連記事参照)。ジェイミソン本部長は「大企業が年内に16万台のVistaマシン導入を決めている」というが、昨年の国内の法人PC市場規模・約808万台(ガートナージャパン調べ)からすれば微々たる数字だ。

photo ジェイミソン本部長

 ただ、企業向けは2000、XPの経験から「リリース後、半年たつと伸び始める」といい、この時期に合わせてSI事業者向けコンサルティングサービスを始め、伊藤忠テクノソリューションズや大塚商会など10社らと協力してVistaの本格導入を支援。周辺機器やソフトの互換性や、プレミアムエディションならではの豊富な機能をアピールするコンシューマー向け店頭キャンペーンなどとあわせ、こうした作戦で「ローンチ時の期待値に近づけるだろう」(ジェイミソン本部長)としている。

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