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AMD、「65nm/45nmへの移行は順調に進む」と約束

» 2007年05月23日 15時20分 公開
[Scott Ferguson,eWEEK]
eWEEK

 米AMDは、同社が65ナノメートル(nm)および45nmプロセスによる新型プロセッサの出荷を予定どおり開始でき、同社の製造施設が、規模で勝るライバルのIntelと同じペースでプロセスの微細化を進めていけることをIT業界に改めてアピールしている。

 AMDは5月21日に開催したアナリストミーティングで、予定通り年内に同社の工場のうち2カ所が65nmプロセスに全面的に移行し、45nmプロセッサの生産も計画通りに開始されると述べた。

 サンフランシスコで開かれた四半期アナリストミーティングで、AMDの製造技術担当ディレクター、トム・ソンダーマン氏は、今年半ばまでに65nmプロセッサのフル生産を始める計画の詳細を明らかにするとともに、2008年から45nmプロセッサを生産する計画を改めて表明した。

 ソンダーマン氏は説明の中で、追加投資を行う前に既存技術を最大限に活用することを重視するAMDの「効率性に優れた」製造アプローチに言及した。このアプローチにより、AMDはプロセッサを非常に柔軟に生産できると同氏は述べた。

 AMDはプロセッサの中核部の設計について強みをアピールしているが、IntelはAMDよりはるかに多くの製造施設を持っており、製造面で明らかに優位に立っている。Intelはこの優位を生かし、45nmプロセッサの生産をAMDより早く進めることができる見通しだ。

 AMDはここ数カ月間、財務的な苦境に陥っており、直近の2四半期の業績は振るわなかった。一部のアナリストは、AMDはコスト削減のために、製造のアウトソーシングを拡大するかもしれないと指摘している。現在、AMDは製造技術でIBMと協力しており、生産能力が不足した場合にChartered Semiconductorに製造を委託する契約も締結している。

 AMDは当面のところ、自社のロードマップに沿って、年内に65nmプロセッサのラインアップを完成させ、2008年には45nmプロセッサへの移行を開始する計画だ。

 現在、AMDはドイツのドレスデンにある2つの主力工場(Fab 36とFab 30)で65nmプロセッサを生産している。Fab 36では量産が進んでおり、今年半ばにフル生産が開始される。Fab 30も予定どおり、90nmプロセスから65nmプロセスへの移行が年内に完了する見通しだ。

 65nmプロセスに全面的に移行した時点で、Fab 30はFab 38に改称されることになっている。

 また、ソンダーマン氏はアナリストに、AMDは予定通り、クアッドコアOpteronプロセッサ「Barcelona」(コードネーム)を今年半ばからFab 36で量産すると語った。

 ソンダーマン氏は、業界の一部からは、AMDがクアッドコアプロセッサを生産できるのかどうか疑問視する声も出ていたと語った。AMDは自社のクアッドコアプロセッサについて、1つのシリコンに4つのプロセッシングコアを搭載する「ネイティブな」洗練された設計であり、65nmプロセスで製造されると説明している。今回のアナリストミーティングの狙いの1つは、AMDが最新プロセッサをスケジュール通りにリリースすることを、アナリストに改めて約束することにあった。

 「ネイティブなマルチコアプロセッサ設計はこれまで同様、AMDの大きな差別化ポイントだ」とソンダーマン氏はミーティングの前にeWEEKに語った。

 さらに、ソンダーマン氏は、AMDは2008年半ばまでに45nmプロセッサを投入し、Intelの45nmプロセッサファミリー「Penryn」に対抗すると語った。Penrynは2007年中に市場に登場する予定だ。

 ソンダーマン氏によると、AMDの45nmプロセッサ用のパイロットラインがドレスデンの施設で既に稼働している。AMDはドレスデンの施設で、液浸リソグラフィーによる露光プロセスを45nmプロセッサの製造に初採用するという。

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