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» 2007年07月09日 10時39分 UPDATE

Googleの支配を受け入れられるか?

Googleのプライバシーポリシーをめぐる批判が相次いでいる。その行き着くところは、「Googleに支配されてもいいのか?」という疑問だ。

[Lisa Vaas,eWEEK]
eWEEK

 Googleは情報がすべてだ。

 Googleは、人々がインターネット上の情報を見つけるために利用するナンバー1のツールになった。しかしプライバシー専門家は、Googleがユーザーについて蓄積してきた情報の量を懸念する。

 同社が収集している膨大な量のPII(個人の特定が可能な情報)と、その利用法、データ保存期間、DoubleClickとの買収完了後にそれをどう使うかをめぐっては、これまでに何度も問題が指摘されてきた。

 ここ数週間で新たに2つのプライバシー問題が報じられたことで、論議は一層過熱している。新サービスのStreet Viewでは接近写真が度を超していると苦情が出た。Privacy Internationalは6月9日に発表した報告書で、Googleのプライバシーポリシーと扱い方に落第点を付けた

 一方、ドイツで電子メールプロバイダーとISPに対し、個人を特定できる形でのユーザー情報保存を義務付ける法案が審議されていることについて、Googleはドイツ政府に対し、この法律に従うくらいなら同国でGmailサービスにアクセスできなくすると表明した。

 GoogleがPIIを悪用しない姿勢はこのような行動に示されていると、Google支持派は言う。

 しかし、Googleが昨年、米国政府への検索結果引き渡しを拒んだ時もそうだったが、今回の行動でもプライバシー保護派は納得しなかった。プライバシー保護派に言わせれば、Googleがプライバシー保護のために取っている措置はすべて多数の悪行を伴っており、悪行と善行はいずれも、Googleの業績にどう響くかにかかっている。

行き着く疑問は

 結局のところ行き着くのは次の疑問だ――自分がGoogleに支配されることを良しとするのか。Googleがどのような形でユーザーを支配しているかは、Googleとターゲット広告会社のDoubleClickとの合併をめぐり、Electronic Privacy Information Center(EPIC)などのプライバシー保護団体が米連邦取引委員会(FTC)に提出した申立書に記されている。いずれ問題になりそうなサービスとして、現在β段階にある「Google Gears」がある。これはJavaScript APIを使い、ユーザーがオフラインの時でもWebアプリケーションを使えるようにしたオープンソースのブラウザ拡張機能だ。

 しかしGoogleはこうしたデータすべてに関し罪を犯しているとPrivacy Internationalは言う。ユーザーに関する大量のデータをGoogleが保有すること、および全検索記録と関連のIPアドレスおよびタイムスタンプの記録を最大で2年間保存すること(Googleは1年半しか保存しないと発表しているが)を認めるよう、ユーザーに強要しているのが罪に当たるという。

 同社はさらに、Google Toolbarで入力された全検索結果を収集し、ユーザーのWeb上の動きを追跡できる独自のcookieで個人を特定している。また、Privacy Internationalによれば、欧州連合(EU)データ保護法の規定など、一般に受け入れられているプライバシー慣行にも従っていない。

Googleを信頼できるか

 問題なのは、Googleがこうした膨大な量のPIIを使って悪いことをしないと信頼していいのかどうかという点だ。Google支持者は、米司法省による検索ログ記録提出要求をGoogleが拒んだことを引き合いに出す。これは米政府が検索エンジンで子供がポルノに出くわす頻度を調べる一環として求めたもので、競合企業のAOL、Microsoft、Yahoo!は要求に従った。

 プライバシー保護派は、Googleが召喚状に従わなかったことを評価しながらも、そもそも司法省がデータを要求したこと自体、政府当局がユーザーのインターネット上の行動を知りたがっていることを示すものだと指摘する。

 EPICのエグゼクティブディレクター、マーク・ローゼンバーグ氏は言う。「Googleが(召喚状を拒否するという)決定を下したときは、われわれも(Googleを)支持した。だが(そもそも)、Googleがこれほど大量のユーザー情報を保持していること自体が誤りだとの考えも表明した。同社がデータを保存している限り、プライバシーが危険にさらされる」

 Googleは、プライバシー問題については誤解されていると主張、Privacy Internationalの報告書は不正確で誤りがあると反論している。

 eWEEKの取材に対し、Google法務担当次長のニコール・ウォン氏は、報告書で具体的にどの点が誤っているのかは明らかにしなかったが、Googleの描写の仕方が公平でないと話した。例として同氏が挙げるのは、検索ログを1年半〜2年後に匿名化するというGoogleの決定だ。Privacy Internationalなどのプライバシー保護団体はこの動きをあまり勘案せず、Googleがその後、保存期間を1年半に短縮すると決めたことにも注意を払ってもらえなかったという。

 Privacy Rights Clearinghouse創業者のベス・ギブンズ代表は、データを長期間保存せずにうまくやっている検索企業の一例として、欧州のメタ検索エンジン、Ixquickを挙げる。Ixquickはプライバシーポリシーページで、ユーザーのプライバシー情報は48時間以内に削除すると述べている。

 Googleがデータをこれほど長期間保存しているのは、サービスの向上およびセキュリティ問題などの不正行為からユーザーを守るために情報を使っているからだとウォン氏は説明する。

 では、Googleの検索結果向上というのは、PIIの無効化に1年以上の間を取らなければならないほどのものなのだろうか。

 Googleは数学アルゴリズムの内容を公開しない姿勢を貫いている。ただ例外的に、検索クオリティという部門の内部をNew York Timesに公開した。6月3日付の同紙記事によると、Googleの検索クオリティチームでは、同社検索エンジンを動かしている膨大な量の公式に、平均すると1週間あたり6回程度、大小の変更を施しているという。

 検索ブログのsearchengineland.comを執筆しているダニー・サリバン氏は、Privacy International報告書に記されたGoogle批判のほとんどに反論し、新聞記事などの主観的で測定不能な情報を根拠としているといった弱点を指摘した。

 しかしサリバン氏でさえも、個々の検索ユーザー本人を特定可能なプロファイリングについて、プライバシー保護派が懸念するのはもっともなことであり、大部分が匿名のcookieデータやIPアドレスといった、いわゆる昔ながらの問題よりも懸念は大きいとの考えだ。

 しかし、もしプライバシー保護派がこうした個人プロファイルについて懸念するなら、MicrosoftやYahoo!が保存している情報にも同様の疑問を投げ掛けるべきだと同氏は言う。Microsoft、Yahoo!とも、Privacy Internationalのプライバシーランキングでは合格点が付いている。

 プライバシー保護派は、Googleをプライバシーの独裁者にさせたいのかもしれない。Privacy Internationalの批判の1つに、プライバシー上の懸念について問い合わせたのにGoogleから返事がなかったという項目があった。もしGoogleから回答があれば、報告書ではもっといい点数が付いていただろうという。

 Googleでは、専任のプライバシー専門家を配置しているだけでなく、ウォン氏を採用した際に製品開発ライフサイクルも導入し、製品立ち上げのたびに、プライバシー問題に詳しい弁護士をチームに加えるようにしていると話している。

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