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» 2007年07月10日 10時00分 UPDATE

新GREEはケータイに「住む」 アバターと“部屋”導入 (1/2)

SNS「GREE」「EZ GREE」のケータイ向けトップページがリニューアルされ「アバターがペットと一緒に仮想の部屋に住む」という設定になった。リアル・バーチャルの境界を超えた“仮想世界”にユーザーを導きたいと、田中社長は言う。

[岡田有花,ITmedia]
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 グリーは7月10日、PC・携帯電話両対応のSNS「GREE」とau携帯向け「EZ GREE」で、携帯電話向けプロフィール画面をリニューアルした。従来は、ユーザーが自由に設定したプロフィール画像と自己紹介のテキストを表示していたが、新たにユーザーのアバターを設定し、アバターが住む仮想の部屋「ルーム」を設置。ルームでオリジナルのペット「Clinoppe」(クリノッペ)も飼えるようにした。

 アバターやルームは新たに設定する必要があり、設定するまでは従来のプロフィールが表示される。ただし、プロフィール画像を設定していないユーザーは、17日以降は自動的にアバタープロフィールに切り替わる。

 携帯電話向けGREE/EZ GREEは、無料ゲームや占い、デコメール素材のダウンロードなどが可能なSNS。

 アバターは、髪型や服装などをカスタマイズでき、着飾るためのアイテムを仮想通貨「ゴールド」を使ってショップで購入することもできる。ルームデザインも30種類から選べ、今後、ルームを飾る家具なども購入できるようにする予定だ。

 Clinoppeはアバターと同じ部屋に住むペットという設定で、名前を決めたり服装を選んだりできるほか、「つっつく」というコマンドを選ぶとさまざまなリアクションをしてくれる。今後は、えさをあげたりお風呂に入れたり踊りを覚えさせる、といった育成要素も追加していく計画だ。

 将来は、GREEで提供している釣りゲームで釣った魚を部屋に飾れるようにするなど、プロフィールとGREEの各機能との連動を強めていく。ゲームとの連動のほか、デコメ素材をプロフィールに貼り付けたり、プロフィールページで他ユーザーとの相性占いができるようにする――といった連動も検討している。

実名・匿名――その先へ

 新トップページは国内最大のケータSNS「モバゲータウン」(ディー・エヌ・エーが運営)に似ており、アバターを利用したプロフィール画像や、自分の部屋を持てる機能はモバゲーにもある。だが「他社のサービスはほとんど使わないし、見ていない」とグリーの田中良和社長は言う。

 「GREEユーザーの動向を見て彼らが何を求めているのかを考え、2010年まで見据えながら、インターネットはどこからきてどこへ向かうのかを考えてきた。最近のネットユーザーは、リアルとバーチャルを区別しなくなってきている」――SNSやブログを使いこなし、ネットに慣れたユーザーの意識を先取りした結果が、アバターであり、ルームなのだという。

 田中社長はここ5年ほど、ネットコミュニティーの作り手としてユーザーの価値観の変化をつぶさに見てきた。楽天に在籍していた2001年に作った日記(ブログ)サービス「楽天広場」や、2004年に作ったPC向け「GREE」。当初は「誰もやらない」とか「流行するわけがない」などと言われることもあったが、最近になって「Web2.0」という言葉でくくられ、一般にも受け入れられてきた。

 これらが普及した背景には、ユーザーの意識の変化があったという。ブログやSNSが流行する2004年ごろまでは「ネットは匿名社会」とされ、現実とは切り離されたバーチャルな世界という見方が強かったが、ブログやSNSが、ネットとリアルを強く結びつけ始めたのだ。

 ブログで日記を付けることが普通になり、有名ブログは当たり前のように書籍やドラマになり、現実と密接に関わってきた。SNSに現実の人間関係を持ち込み、実名で参加することで、旧友に再会できたり仕事が舞い込むなど“実名ならでは”の新しい世界も開けてきた。

画像 「新しいコミュニケーションの形は最初は受け入れにくいかもしれないが、次第に慣れてくる」と田中社長

 その一方で、リアルと結びつきすぎたことによるマイナス面も見えてきた。ブログで書いた内容が原因で会社をクビになったり、SNSに実名で参加していたユーザーのプライベートが思わぬところで露呈して中傷の的になったり――いくつもの“事件”が起きた。

 こういったトラブルを経験した結果、ネット上で匿名・実名を使い分けたり、ニックネームなど知り合いにしか分からないような“半実名”でブログ・SNSに参加する人も増えている。

 「『ブログは日記なのか』と真剣に議論していた時期もあったが、いまとなっては誰もそんなことを言わない。ブログもSNSも実生活で当たり前になってきて、リアル=実名、ネット=匿名、というような区切りもなくなってきた。実名か匿名かという議論を超え、みんな自然に使い分けるようになった」

 ケータイSNSのユーザーはさらに“進化”しているという。コミュニティーの掲示板に「学校」を作り、生徒・教師の役割分担をして書き込んだり、仲のいい友人同士でGREE内限定の家族関係“グリ家族”を築いたり――リアルともバーチャルとも付かない、新しい人間関係を築き始めた。「ユーザーがネットに慣れてくるにつれ、より高度な社会性を求め始めた。ここまでがリアルでここからがバーチャル、という境界自体がなくなってきた」

 そんなユーザーの意識を先取りした結果が、アバターとルームを使ったプロフィールページであり、各サービスをプロフィールに統合した「仮想世界」なのだという。

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