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「“コピー9回までOK”は補償金制度が支えている」と権利者団体

» 2007年07月17日 22時39分 公開
[宮本真希,ITmedia]

 日本音楽著作権協会や日本レコード協会、実演家著作隣接権センターなど86の団体が参加する「デジタル私的録画問題に関する権利者会議」は7月17日、「デジタル放送のコピーワンス緩和は、私的録音録画補償金制度に支えられている」とする声明を発表した。

 声明は、総務省情報通信審議会の「デジタルコンテンツの流通の促進等に関する検討委員会」が12日、デジタル放送の録画のコピーを9回まで認めるという方針を示したことを受けて発表した。

画像 実演家著作隣接権センターの椎名和夫さん

 同日会見した実演家著作隣接権センターの椎名和夫さんは「権利者や消費者などが初めて向き合い、お互い譲歩して生まれた成果だから受け入れたが、検討委員会で実演家団体は『コピーは3回まで』と主張していたため、9回という数字は納得できるものではない」と不満をあらわにする。

 また「コピーワンス緩和は、補償金制度によってクリエイターに対価を還元しているからこそ実現できる」という立場から、「補償金制度が維持されないような事態に陥ったり、コピーワンスの緩和によって海賊版が横行した場合は、改めてコピー回数について議論する必要があると思う」と述べた。

 声明では、電子情報技術産業協会(JEITA)が「DRM技術を活用すれば、補償金制度を不要にできる」と主張していることに対して「関係者間の譲歩の成果を否定するような主張で、極めて遺憾。補償金制度があるからこそユーザーは自由に録音・録画できるが、DRMはユーザーの私的利用も制限する」という見解を示す。「DRMと補償金制度の共存も考える必要がある思う」(日本音楽作家団体協議会の小六禮次郎さん)という意見も出た。

 また、日本音楽作家団体協議会の服部克久さんは「コンテンツに対する尊敬の念を持ってほしい。最近は音楽などが空気や水のように捉えられているが、タダで作られているものではない。いかに貴重なものであるかということを認識してほしい」と述べた。

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