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極小ICチップで出版物の複写を管理 日立やリコーが共同開発

» 2007年07月18日 20時53分 公開
[ITmedia]

 日立製作所とリコーなど4社は7月18日、地図などの出版物の複写利用状況を極小ICチップを活用して管理するシステムを共同開発したと発表した。実際に複写利用した実績に応じて利用料を著作権者に支払えるのが特徴。実証実験を進め、著作権管理団体などにビジネスモデルへの参加を促していく。

 2社とゼンリン、日立システム九州が共同開発した。著作物に、日立の「ミューチップ」を装着。ミューチップリーダーを装備したリコーのデジタル複合機で複写するようにし、利用記録を自動的に取得。日立システム九州が開発する利用料管理システムを使って、著作権者への支払い額を管理する。

 1次複写物には地紋に牽制文字を埋め込み、不適切な2次複写による利用を防止するという。

 住宅地図などを複写利用する場合、複製許諾契約などの基づき、見積もりした概算の料金を支払うのが一般的。新システムが実用化されれば、実際の複写利用に応じた利用料を支払うことが可能になるとしている。著作者の権利を守りながら複写利用することが容易になり、企業のコンプライアンス順守にも役立つとしている。

 ゼンリンの住宅地図を使った実証実験を進め、他の著作権者らから意見を取り入れた上で実用化を目指す。

 プロトタイプを「日立uVALUEコンベンション2007」(7月25〜26日、東京国際フォーラム)に出展する。

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