テクノロジーセクターは9月7日午後、重要な立法上の勝利を手にした。この日米連邦議会下院で、半世紀ぶりに米国特許制度を大幅に刷新する案が承認されたのだ。だがこの大きな勝利も、上院での審議に移ったら短命に終わるかもしれない。
党の方針を超えて225対175票で可決されたこの法案「Patent Reform Act of 2007(H.R. 1908)」は、意図的な特許侵害の定義を狭め、損害賠償の額を(対象技術を使った)完成品全体の価値ではなく、対象となる技術の実際の価値に限定する。
またこの法案は、米特許商標局が認可した特許に異議を唱える「第二の機会」を作り出す。さらに、現行の先発明主義(first-to-invent)に代えて、先願主義(first-inventor-to-file)の制度を作り、米国を国際特許基準に近づける。
支持者らは、たとえこの法案が下院で承認されても、この法案が上院に進んだときに、特に損害賠償と認可済み特許の2度目の見直しの重要条項に関して、さらに変更される可能性が高いと反対派に約束した。
この法案が上院で承認された場合、さらなる妥協が見られるだろう。バイオテクノロジー、製薬、製造業界は、この法案の主要条項への強い反対を掲げて介入してきている。ホワイトハウスもまた、損害賠償に関連する大きな変更への反対を示してきた。
「この法案が完ぺきでないことは認める」と法案提出者の1人、ハワード・バーマン議員(カリフォルニア州選出・民主党)。同議員は下院の法廷、インターネットおよび知財小委員会の議長でもある。「これは本当に複雑な問題だ。妥協点に向けて取り組みを続ける」
バーマン議員は、この法案が今年急速に下院を通過したことが批判されているが、その前に6年間にわたり20回を超える議論や公聴会を経ていると指摘した。「判断を急いだのでも、あわてて法制化したのでもない。ずっと前に始めたことだ」
下院司法委員会の議長ジョン・コンヤーズ議員(ミシガン州選出・民主党)は、この法案は進行中だと話す。「マイノリティーの側に合わせて変更を加えた。(上院との)会合が終わるまでは最終版ではない」
ダナ・ロールバッハー下院議員(カリフォルニア州選出・共和党)およびマーシー・カプター下院議員(オハイオ州選出・民主党)率いる反対派は、この法案は準備が整っていないと強く主張している。
「この法案は米国の発明者の権利を弱め、中国や日本、インドなどの国が米国の発明を盗むのを促進するだろう」とロールバッハー議員は語り、特許出願を認可前に公開する条項に異を唱えている。「わたしはこれを『Steal American Technologies Bill(米国技術窃盗法案)』と呼んでいる」
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