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IBM、新しい「ナノプリント」手法を開発

» 2007年09月11日 16時00分 公開
[ITmedia]

 米IBMの研究者らは9月11日、ナノスケールで効率的かつ正確に「プリント」する新手法を披露した。

 この手法は個々のナノ粒子を好きな場所に正確に配置できるようにするもので、IBMが欧州の研究機関ETH Zurichと協力して開発した。ナノスケールのバイオセンサーや、将来の光学チップ内で使う微小なレンズ、ナノワイヤ作成などを前進させる可能性を持つ。

 現行の微細加工は大きな素材から切り出すことで微細な粒子を作り出しているが、「プリント」手法は既に用意されたナノ粒子を表面に加えていくというもので、金属、ポリマー、半導体、酸化物など異なる種類の素材を1つのプロセスで結合させられる。

 今回は初めて、60ナノメートル(人間の赤血球の約100分の1)の大きさの粒子を、単純な線から複雑な配列までさまざまなパターンでプリントすることに成功した。解像度を従来の「dpi(dots per inch)」で表すと、10万dpiになるという。

 この手法を一般的に利用できるようになるまでには数年を要するものの、大がかりで難解な発明なしで、実世界で利用できる見込みがあると研究者らは述べている。この研究はNature Nanotechnology誌の9月号に掲載される。

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