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「ニュース専用」動画・写真投稿サイト 読売&日テレ「みんなで特ダネ!」

» 2007年09月18日 09時37分 公開
[岡田有花,ITmedia]
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 読売新聞東京本社と日本テレビ放送網は、事件や事故の現場を撮影した動画・写真の投稿サイト「みんなで特ダネ!」を9月20日に開設する。テレビ放映・新聞掲載用の作品を募集するサイトで、投稿作品は記者がニュース性を審査。価値ありと判断した場合は投稿者に連絡を取り、テレビや新聞で公開した後サイトに掲載する。

 投稿は、動画や写真をアップロードし、住所、氏名、連絡先電話番号などを記入して行う。投稿作品はすぐには公開されず、両社の記者がチェック。ニュース性が高いと判断すれば投稿者に電話連絡し、十分な事実確認を行ってからテレビのニュース番組で放送したり、新聞に掲載したりする。

 作品をサイトで公開するのは、テレビ放映・新聞掲載の後。テレビ・新聞で採用されなかった作品は、Web公開も行わない。

 システムは、動画投稿サービス「FlipClip」運営のフリップ・クリップが構築した。携帯電話からの投稿も可能だ。

一般人の動画・画像が“勝敗”決することも

画像 携帯電話からの投稿画面

 デジタルカメラやカメラ付き携帯電話が普及し、一般ユーザーが事件や事故の現場を撮影するケースが増えている。最近では、那覇空港で起きた中華航空機の炎上事故や、東京・渋谷で起きた温泉の爆発事故などがその例で、一般ユーザーが撮影した現場の動画や写真がテレビや新聞に登場した。

 「一般の方の動画が勝敗を決することもある」と日テレの高田元広・報道局マルチニュース制作担当部長は言う。火事など突発的な事件・事故が起きた瞬間を、テレビ局や新聞社のカメラでとらえるのは容易ではなく、一般人が偶然撮影したコンテンツを提供してもらう例は従来から少なくなかった。

 新サイトは、そういった動画や写真を受け入れられる窓口という位置付け。事件・事故現場を撮影した一般ユーザーが「新聞やテレビに載せてみたい」と思った際、真っ先に投稿してもらえる場を目指す。

 投稿される動画・写真の質や量は予想が付かないが、動画なら「1日1本か、1週間に1本でも採用できれば」(高田さん)といい、写真なら「1日5枚程度採用できれば大成功」(読売新聞東京本社メディア戦略局IT事業部の西島徹さん)という展望だ。

ユーザーの力を借りて競争力強化を

 読売グループの両社が、ネット上での共同企画を検討し始めたのは1年ほど前。当時「Web2.0」の名の下にユーザー参加型コンテンツが盛り上がり始めていたこともあり、ユーザー投稿型サイトの構築が決まった。

 日テレは以前から、ユーザーがニュース動画を投稿できるサービスの構築を検討していたといい、読売新聞は紙面で、読者がニュース写真を投稿するコーナーを長く展開してきている。新サイトはこれらを融合し、動画・写真両方の投稿を受け付けられるようにした。

 自由に投稿・公開するサイトではなく、記者が事実確認してから掲載するサイトにし、読売・日テレのブランドに期待される“真実性”を裏切らない仕組みに。ユーザー投稿の力を借り、両社の報道機関としての競争力を強化していく狙いだ。

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