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Xerox、普通のトナーで可能な「すかし印刷」技術を発表

» 2007年10月06日 08時04分 公開
[ITmedia]

 米Xeroxは10月4日、新しいセキュリティ印刷技術「InfraredMark Specialty Imaging Font」を発表した。赤外線ライトで照らした場合にだけ読める文字を印刷する技術で、従来のセキュリティ印刷技術と比べて低コスト。チケットやクーポン、IDカードなどのすかし印刷に応用できるとしている。

 InfraredMark Specialty Imaging Fontによる印刷には特殊なインクや紙は必要なく、標準的なXeroxのデジタルシステムで通常のトナーを使い、標準的な紙に印刷できる。同技術を使った印刷物には赤外線カメラでしか見えない文字や画像を埋め込むことができ、この文書に手を加えたりコピーしたりすると、隠された文字がゆがむことにより、正規のものではないことが分かるという。

 同技術では、CMYK4色のトナーを使って色を再現するXeroxのカラー印刷システムを活用。各トナーが赤外線に対して異なる反応をする性格を応用し、人間の目には同じに見えるが赤外線への反応は大きく異なる2色を作り、それぞれを背景と文字に使用することで、通常光下では読めない文書を印刷するという。

 従来のセキュリティ印刷技術はコストが高く、パスポートや紙幣など、一部の用途に使用が限られてきたが、InfraredMarkではデジタル印刷技術と特殊画像効果を活用することで、セキュリティ印刷がより簡単に、手ごろなコストで可能となり、応用範囲が広がるとしている。この技術はXeroxが9月に発表した印刷用ソフトウェア「FreeFlow Variable Information Suite 6.0」に組み込まれている。

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