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「ITシンプル化はDellの哲学」 デル会長、日本向け新戦略

» 2007年10月29日 19時08分 公開
[ITmedia]

 来日した米Dellのマイケル・デル会長兼CEO(最高経営責任者)が10月29日、日本とアジア太平洋地域で「ITのシンプル化」戦略を進めると発表した。複雑化する一方の企業内ITインフラを、デル製サーバなどを使って標準化や統合を進め、IT費用の大部分を占めるに至っている運用コストの削減を支援する。デル会長は「シンプル化はDellの哲学であり、戦略でもある」と話す。

 「ハードはメーカー、ソフトはソフト会社、システム構築はSI事業者──IT業界の構成がITインフラを複雑化させている面がある」(デル会長)。Dellが掲げるシンプル化は、複雑化した企業内ITインフラを診断し、標準化、統合、自動化などをDellの設計で一貫して行い、運用を効率化して企業が本来のIT活用に割くリソースを増やせるという。

 企業が課題を把握できるよう、「ITシンプル化評価ツール」を公開。ITライフサイクル上の各段階における効率性などを計測して企業に問題点を示す。また向こう数年単位のプランを作成する「ITシンプル化・アセスメント・サービス」も試験導入する。

 デル会長は「シンプル化でITのポテンシャルを最大限引き出せるようになる」と話し、IT面で成長が続く日本・アジア太平洋地域で特に大きな効果をもたらすだろうと見ている。

世界で店頭販売戦略

 DellのPCビジネスは日本で30億ドル規模に成長するなど、日本とアジア地域での成長が著しい一方、従来の直販専業モデルを転換し、Wal-Martなどで店頭販売も開始。日本でもビックカメラ、ソフマップの店頭でPC販売を始めた。

 デル会長は「店頭販売戦略は第1ステップ。今後、日米や欧州などで様々な国でパートナーシップを結んでいく」と話す。PC業界では世界的な再編が進んでおり、デル会長は「統合は加速するだろう」と見ている。

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