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楽天市場、初の海外進出 台湾の流通大手と合弁

» 2007年11月29日 18時16分 公開
[岡田有花,ITmedia]

 楽天は11月29日、台湾の大手流通業者・統一超商と合弁新会社を設立し、台湾版「楽天市場」を2008年第2四半期中に開設すると発表した。楽天市場の海外進出は初。同社の三木谷浩史社長は同日、台北市で開いた会見で「台湾で日本以上のネットショップを作りたい」と意気込みを語った。

画像 楽天の三木谷浩史社長(左から2番目)と、統一企業集団(統一超商親会社)の林蒼生総裁(同3番目)が巨大マウスを挟んでポーズを取って記念撮影。紙吹雪が大量に舞うなど、台湾らしい演出もあった

 統一超商は、台湾でセブン-イレブンやスターバックスを運営しているほか、ヤマト運輸と合弁で宅配便を、ダスキンと合弁でクリーニングサービスを展開するなど、海外の事業を台湾国内に取り入れてきた。「世界から店舗を集めて成功させてきたが、楽天市場はこれまでにない新しい形」と統一企業集団(統一超商親会社)の林蒼生総裁は意気込む。

 新会社は「台湾楽天市場」で、12月に台北市内に設立する。資本金・資本準備金合わせて6億円。楽天が51%、統一超商が49%出資する。

 日本の楽天市場と同様、小売店舗に出店してもらって出店料収入を得るビジネスモデル。統一超商の流通網や宅配サービスと、楽天のECサイト運営ノウハウ・技術力を組み合わせる。国内の楽天市場と同様、ランキングやポイント制度、出店企業向け講座「楽天大学」なども展開する。

 日本の楽天市場の商品を台湾から購入したり、逆に台湾から日本の商品を購入できるような共通プラットフォームも構築する計画だ。

 2年目に単月黒字化、3年目には3000店の出店を目指す。

「台湾のEC市場は急成長する」

 楽天が最初の海外展開に台湾を選んだのは「ECマーケットが伸びており、親日的。統一超商という強力なパートナーも得た」(三木谷社長)ため。台湾のBtoCのEC市場は年々拡大しているといい、2004年は約1300億円市場から2006年には2000億円に成長。2008年には5500億円にまで拡大する見込みという。「GNP比で言えば日本と同じくらいまでは成長するだろう」と三木谷社長は期待する。


画像 Yahoo!Taiwanの「購物通」
画像 PChomeの「商店街」

 ECサイトやショッピングモールは、「Yahoo!Taiwan」や「PC home」といった大手ポータルが運営しているが、「楽天は店舗向け・ユーザー向けとも、手厚いサービスを提供でき、統一超商の流通網もいかせる。楽天の名は台湾でも思いの外知られており、数多くの企業に参加してもらえると思う」と三木谷社長は自信を見せる。

 まずは台湾版を成功させ、他の国にも展開していきたい考えだ。次の進出先候補は複数あるとしながらも、具体的な地域や国名は明らかにしなかった。

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