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» 2007年12月05日 15時57分 UPDATE

子ども向けサイト作成ノウハウ、富士通が公開

子ども向けサイト作成ノウハウを富士通が公開した。「富士通キッズ」作成時の経験をもとにまとめたPDFファイルで、子どもの目線でサイトを改善する「ペルソナマーケティング」も紹介する。

[岡田有花,ITmedia]

 富士通は12月5日、子ども向けサイト作成ノウハウを説明したPDFファイル集「キッズコンテンツ作成ハンドブック」を公開した。3月に開設した子ども向けサイト「富士通キッズ」作成時の経験などを生かして編集。同社の社会貢献の一環で、企業の子ども向けサイト作成に生かしてほしいとしている。

画像 富士通キッズ

 ユニバーサルデザインを中心にまとめた「基本編」(A4、全19ページ)と、子どもや教師、親の目線でサイト作成するための資料「ペルソナマーケティング編」(A4、全37ページ)の2種類を公開した。

 基本編では、子どもにとって分かりやすい文章の書き方や表記方法、画像と文章のバランス、文字サイズなどについて解説。ペルソナマーケティング編では、サイト企画・編集時に生かせる「ペルソナマーケティング」の手法を解説している。

 ペルソナマーケティングとは、ターゲット層の特徴を平均した仮想の人物を設定し、その人物になりきって商品企画をする――という手法。子ども向けサイトを大人が企画する際など、商品の企画担当者とユーザーとのギャップが大きい際に特に有効という。

 公開した資料では、アンケートや対面調査などから、小学5年生の女児と母親、担任の男性教師の平均像を示す「ペルソナ」を設定。女の子は「明るく温厚で活発。PCは調べ学習でよく使い、趣味でも使うことがある。難しい内容も、画像入りの説明なら理解しやすい」などと、母親は「38歳で趣味はお菓子作り。子どもの安全には気を遣っている。暇な時はネットサーフィンをすることも」などと、教師は「32歳で趣味は模型作り。ネットのトラブルに生徒が巻き込まれないか心配。授業にPCを生かしている」などと設定している。


画像 「基本編」では画面サイズやレイアウト、文章表現などを例示して解説
画像 小学生女児のペルソナ

 これらのペルソナを生かし、「富士通キッズ」の新コンテンツ「みんなで守ろう!世界の自然」を作成。同日に公開した。

 サイト作成時、ペルソナなしで改善点を議論した際は「動画を入れたいがコストがかかるから困る」などと製作者側の目線で見る傾向があったが、女児・教師のペルソナを使い、それぞれの立場に立って議論すると、ユーザー目線の意見が出たという。

 例えば女児のペルソナで議論した際は「字が多い」「サイト上にある『パーム油』の意味が分からない」「サイトの最後に『まとめ』と書くと、ここだけ写して満足しそう」などと女児目線の意見が、教師のペルソナで議論した際は「画像をコピーして教材に使いたいが、右クリックで保存しようとすると一部しかダウンロードできない」などと、教師目線の意見が出、それぞれの意見を反映してサイトを改善した。

Yahoo!きっずに登録でアクセス急増も

画像

 同社の子ども向けサイト「富士通キッズ」は、「子どもの教育をサポートし、科学系コンテンツで理数系離れを防ぎたい」といった狙いで3月に開設。ネットやPC、地球環境などについてのコンテンツがあり、メインコンテンツの1日当たりのユニークユーザー(UU)は約800、ページビューは約3000。

 学校の調べ学習でよく利用されている「Yahoo!きっず」にも登録されており、Yahoo!きっずで「ユニバーサルデザイン」と検索した際トップに表示される。その影響で、小学校6年生の社会科でユニバーサルデザインを学習する時期(9〜10月ごろ)にアクセスが急増。UUは最大で通常の22倍になったという。

 同社は「子ども向けに良質なコンテンツを制作することは、子どもが親の仕事を理解したり、社会貢献につながる。企業が学校教育をサポートできる」などとし、公表した資料を生かして良質なサイトを制作してほしいとしている。

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