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» 2007年12月13日 16時58分 UPDATE

Second Lifeはてな版? 仮想世界「はてなワールド」β公開 (1/2)

3次元マップ上をアバターで歩き回ってチャットできる「はてなワールド」が公開された。アバター画像は自分で描くことができ、フィールドはGoogle Maps。“ネット的”な発想で、新しいコミュニケーション基盤を築く。

[岡田有花,ITmedia]
画像 はてなワールド

 はてなは12月13日、「はてなワールド」を、ユーザー限定でβ公開した。Google Mapsを足元に敷いた3次元フィールド上を、紙のようにぺらぺらのアバターで歩き回り、周囲のユーザーとチャットできるサービス。アバターはお絵描きツールで自由に描くことができ、チャットログはHTMLで保存・公開される。Flashで構築し、Webブラウザだけで利用できるようにした。

 操作性はゲームのようだが、コミュニケーションはネット的。Second Lifeに代表される仮想世界ブームに、はてなが出した1つの答えだ。「まずはインスタントメッセンジャー(IM)の置き換えを目指し、長く使ってもらえるコミュニケーションインフラにしたい」――同社の近藤淳也社長は意気込む。

ぺらぺらアバターで地図上を歩く

 はてなワールドにアクセスすると、ぺらぺらした紙のようなアバターが、Google Mapsを敷いた3次元フィールド上のはてな社屋付近(東京都渋谷区鉢山町)に登場する。

 アバターでフィールドを歩き回り、周囲にいる他ユーザーに話しかけられる。発言すると、吹き出しとチャットウィンドウを表示。吹き出しには発言がリアルタイムで表示され、チャットウィンドウにはログを含めた全発言がたまっていく。


画像 テキストを入力するとチャットウィンドウが開く
画像 周辺のユーザーと会話できる

 チャットが始まると足下に青色の円が描かれ、円内にいるユーザーは発言を閲覧したりチャットに参加できる。円の大きさは拡大・縮小でき、円を広げてたくさんの人に話しかけたり、最小にして“2人だけの世界”を作ったりできる。

 チャットが終了すると、ログが地面に「落ち」てその場にアイコンが表示される。アイコンをクリックすると過去ログを参照。ログはHTML化されて専用ページに保存・公開され、誰でも見られるようになる。

 他ユーザーをコンタクトリストに登録する機能も。アバターを画面下部にドラッグすれば登録でき、オンライン・オフラインの確認が可能だ。オンラインの友人アバターをクリックすれば近くにジャンプでき、オフラインでクリックすれば、メッセージを残せる。場所のURLを出力する機能もあり、マップ上での待ち合わせなどに利用できる。

 まずは先着100人限定で公開。公開範囲は順次広げていき、はてなIDユーザーなら誰でも利用できるようにする計画だ。

アバターは自由にお絵描き 「奪い取る」ことも


画像 アバターは自由にお絵描き可能
画像 作成したアバターは、HTMLページで公開される

 デフォルトで数十種類のアバターを選べるが、専用のお絵描きツールでオリジナルのアバターを描くこともできる。手足、胴体、頭の位置を指定し、色やペンの太さを選んでアバターを作成する。

 アバターを「奪い取る」機能も備えた。気に入ったアバターをクリックし「このキャラクター画像を使う」を選べば、自分のアバターがそのアバターに変わる。全ユーザーのアバターを閲覧できるHTMLページも用意。気に入ったアバター選んで自分のアバターにできる。

 英語版と日本語版を同時リリースした。

“ネット屋”と“ゲーム屋”の争い、始まる

(注:はてなワールドは当初8月下旬のリリースを予定しており、インタビューは8月に行ったものです)

 はてなはこれまで、テキストを中心としたサービス展開を行ってきた。3次元世界を動き回るフルFlashのサービスは、新しいチャレンジだ。背景にはネットコミュニケーションの進化に対する分析と、3次元へのあこがれがある。

 「ゲームがネットコミュニケーションに寄ってきている」――同社の近藤淳也社長は言う。Second Lifeやプレイステーション 3の「Home」など、ゲームのようなコミュニティーサービスが話題になっている。

 家庭用ゲーム機がネット接続機能を備え、見知らぬユーザー同士を出会わせてコミュニケーションに導く。これまでPCが担ってきた役割を、ゲーム機が代替し始めている。「ゲーム業界とインターネット業界の勝負が、思ってもみなかった場所で現れ始めている」

 同時にネットコミュニケーションも“ゲーム的なもの”に寄って来ている。ネットユーザーは相手のプロフィールや“顔”を見たいと望み、より表現力豊かでリアルタイムなコミュニケーションを求め始めた。

 ブログやSNSには当たり前のようにプロフィール画像やアバターが付き、個性を示す多様なスキンが利用される。ユーザーは目の前の出来事を携帯電話からブログやmixiにアップ。リアルタイムに近いコミュニケーションができるTwitterも人気だ。

 ネット上の“フィールド”の表現力も上がり続ける。Google Mapsの航空写真地図や、Google Earth、Virtual Earthの3次元地図――ネットで利用できる地図はどんどん精密になり、3次元化が進んでいる。

 こうした変化を背景に「はてなワールド」は生まれた。アバターでフィールド上を歩くというゲーム的な要素と、PCネットで発達してきたユーザー同士のテキストコミュニケーション、地図表現を融合させ、近づきつつあるゲームとネットを“ネット屋”の視点で組み合わせた。

 理屈だけではない。「3次元の世界を歩くのって、純粋に面白い。2次元よりわくわくする」と近藤社長は言う。発想の原点は、2次元のGoogle Mapsを犬のアバターで歩き回れるサービス「はてなわんわんワールド」。はてなワールドは、わんわんワールドを3次元という「わくわくする形」に進化させた姿でもある。

ネットコミュニケーションの一部は3次元に移行する

 はてなワールドの主要機能はテキストチャット。チャットだけならIMで十分なはずだが、わざわざ3次元空間を作ったのはなぜか。背景には「ネット上のコミュニケーションの一部が3D仮想空間に移行する」という展望があるという。

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