およそ4年の開発期間の後、「Microsoft Office 2008 for Mac」が1月15日に発売された。MicrosoftがPC向けOffice 2007をリリースしてから1年後の登場となる。
「Office 2008 for Macでやろうとしたのは、ユーザーがもっとシンプルに作業できるよう支援すること。ここでは互換性が大きな推進力となった。皆、優れた互換性を提供する製品を求めている」とMicrosoftのMacintosh Business Unit(Mac BU)のマーケティングマネジャー、アマンダ・ルフェーブル氏はeWEEKに語った。
互換性は、異なるプラットフォーム間で文書を共有するユーザーにとって重要だと同氏は語り、Office 2008 for MacはPower PCベースMacとIntelベースMacの両方で動作し、全体的に速度が向上していると述べた。
この最新版Office for Macは、Office 2007 System製品ファミリーで使われているOpen MLフォーマットも採用している。
「このリリースの作業の多くはファイルフォーマットに関するもので、ユーザーが優れた互換性を体験できるようにすることを目指した。これは新しいもので、ユーザーはその使い方を見つけなければならないだろう。だが、全体的には顧客にとってシームレスな体験になる」(同氏)
現行版のOffice 2004 for Macフォーマットと2008版のOpen XMLの互換性について尋ねたところ、同氏は、WordとPowerPoint向けにダウンロードできるコンバータを開発したと答えた。これらはいずれもβ版で、Excel向けのアップデートも間もなく提供される。
「Office 2008ユーザーは古いフォーマットでもファイルを保存できる。今年前半には2004版向けの統合型コンバータを提供できると考えている。これは文書をバックグラウンドで自動的に変換し、シームレスな体験を提供する」(同氏)
またOffice 2008 for MacはOffice 2007と同じグラフィックスエンジンを使っており、グラフィックスツールや、輝きや反射などの効果を利用できる。同じ文書を編集している複数のユーザー間でグラフィックスを共有できるSmart Artツールも使える。
Office for Macチームはユーザーインタフェース(UI)も変更した。最新版のUIには、デザイン、書式などのオプションをサムネイル表示するElements Galleryが含まれる。これは基本的に、ワンクリックでプロフェッショナルの文書を作るツールだという。
新たなUIはOffice 2007のリボンUIに似ているが、Mac向けにデザインされており、Word、Excel、PowerPointで必要な機能を見つけやすくなっているとルフェーブル氏は言う。
例えば、Wordには文書エレメントがあり、ユーザーがカバーページをまとめて簡単に目録を作れるようになっている。Mac版のみの新ツール「Publishing Layout View」も搭載されており、ユーザーは多様なテンプレートを使って、簡単にさまざまな種類の文書をレイアウトして、画像や効果を加えることができる。
もう1つMac版のみのツールとして、スケジュール管理ソフトEntourageにスタンドアロンのアプリケーション「My Day」が付いている。このツールは予定の管理、会議の設定、タスクの追加に利用でき、Entourageを閉じても動作する。
Enderle Groupの主席アナリスト、ロブ・エンダール氏は、Windows向けのOffice 2007がVistaをよく見せる以上に、Office 2008 for MacはMac OSを素晴らしく見せると語る。
「この点はこの製品の奇妙なところだ。MicrosoftとAppleのコラボレーションが、苦痛はあるものの、Microsoft社内のWindowsチームとOfficeチームのコラボレーションよりもうまくいっているように見えることが多いからだ」(同氏)
「この製品が大幅に遅れたのは、AppleがIntelプロセッサに移行したときに通告がなかったからだ。つまりMac Officeチームは開発プロセスの後の方の段階にさしかかっていて、かなりの作業をやり直さざるを得ない可能性が高かったということだ。それでも、その成果は見事だ。Appleを際立たせる最高の製品の1つだ」
Excel 2008のElectronics Galleryには、一般的な予算や財務の管理を支援する、数式設定済みのワークシート「Ledger Sheets」が含まれる。
Office 2008 for MacにはWord、Excel、PowerPoint、Entourageで構成される。Microsoft Exchangeにも対応し、Automatorツールも含む。
価格はシングルライセンスで399.95ドル。アップグレード版は239.95ドルで、どのバージョンのMac向けOfficeからでもアップグレード可能。Wordなどのスタンドアロンアプリケーションからでもアップグレードできる。
Office 2008 for MacのHome&StudentエディションにはExchangeサポートとAutomatorツールは含まれないが、149.95ドルで家庭向けに3ライセンスが付いてくる。
499.95ドルのSpecial Media Edition(アップグレード版は299.95ドル)は標準版のすべての機能と、デジタル資産管理ツール「Expression Media」が付属するとルフェーブル氏は説明している。
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