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アスキーソリューションズ、不適切取引を認める

» 2008年01月31日 21時14分 公開
[ITmedia]

 アスキーソリューションズがヘラクレス上場時に決算を粉飾していた疑いのある問題で、同社は同日、2007年3月期に多額の損失を計上した大型プロジェクトについて、架空売り上げの計上などの不適切な行為が見つかった、と発表した。

アスキーソリューションズの株価チャートアスキーソリューションズの株価チャート(1年:縦軸の単位は円)

 同社によると、05年9月期から06年3月期にかけ、大型プロジェクトの開発段階の一部売り上げを最終顧客の検収のない段階で計上したほか、最終顧客に支払った違約金を損失として計上しなかった。架空売り上げの処理をめぐっても偽装があったという。

 このため、過大に売上高を計上した過去の決算を訂正する。また責任を取り、田北幸治社長が役員報酬全額を無期限で返上するなどの社内処分も発表した。

 監査役会が提出した調査報告書は「業績目標の必達を重視する企業風土があり、背景には当初から株式上場を目標の1つに掲げていたことも挙げられる」などと問題点を指摘している。

 同社は同日、08年3月期の業績予想を修正した。純損益が5000万円の黒字とした前回予想から一転、7億8000万円の赤字に陥る見通し。前期も最終赤字だった。ネットビジネス事業で「フリーウェアの増加による自社製品の販売不振」などで売り上げが伸び悩む上、費用がかさんだ組み込み系製品製造が収益に寄与するまでに至らなかった、などと説明している。

 大証は昨年12月27日に同社を監理ポストに割り当てており、この日の同社の発表を受け、監理ポスト割り当て理由を追加した。

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