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MSの米Yahoo!買収提案でGoogleが公式見解

» 2008年02月04日 09時32分 公開
[ITmedia]

 米Microsoftが米Yahoo!を446億ドルで買収する提案を行ったことに関し、米Googleは上級副社長で最高法務責任者のデビッド・ドラモンド氏の名前で公式声明文を発表した。

 この声明文は「Yahoo!とインターネットの将来」と題され、MicrosoftによるYahoo!への敵対的買収に疑問を呈している。

 この中でGoogleは、「MicrosoftとYahoo!が合併すれば、インスタントメッセージング(IM)とWebメールのアカウント数で圧倒的なシェアを持つことになる」と指摘。「コンシューマーが競合企業の電子メール、IM、Webベースのサービスを自由に利用できないよう、PCソフトウェアにおける独占を利用して不当な制限を加えることができるのでは?」と主張している。

 以下は全文:

 インターネットのオープン性はGoogle、そしてYahoo!を作り上げた。ユーザーが使えると判断したよいアイデアは急速に広まる。そのアイデアを基にしたビジネスが生まれ得る。絶え間ないイノベーションからユーザーへのメリットが生まれる。そのおかげでインターネットはこのようにエキサイティングな場所になっているのだ。

 だからMicrosoftのYahoo!への敵対的買収は憂慮すべき問題を投げ掛ける。これは単に財務的取引、1社が別の会社を乗っ取る以上のことを意味する。インターネットの基本理念であるオープン性とイノベーションを残せるかどうかという問題なのだ。

 MicrosoftがPCでやってきたのと同じように、インターネットにおいても不適切で違法な影響を行使できるようになるのではないか? インターネットは競争下におけるイノベーションに報いてきたが、Microsoftはしばしばプロプライエタリな独占を確立し、その独占的地位を利用して隣接する新しい市場に乗り出そうとしてきた。

 法律と規制に対して重大な攻撃を仕掛けてきたMicrosoftの歴史があるにもかかわらず、Yahoo!の買収が成立するとすれば、ブラウザやOSにおける不公正なやり方がインターネットにも拡大するのではないか? さらに、MicrosoftとYahoo!が合併すれば、IMとWebメールのアカウント数で圧倒的なシェアを持つことになる。また、両社はインターネット上における最もトラフィックの多いポータルを所有する。両社が合併すれば、コンシューマーが競合企業の電子メール、IM、Webベースのサービスを自由に利用できないよう、PCソフトウェアにおける独占を利用して不当な制限を加えることができるのでは? 全世界の政策立案者はこうした質問をすべきであり、コンシューマーは満足のいく回答を得られなければならない。

 1月31日に発表された敵対的買収については、これらの疑問に対処するための十分な時間をかける必要がある。われわれはインターネットのオープン性、選択、イノベーションを重要なものと考えている。われわれはインターネットユーザーにとっての利益を第一に考えており――第一に考えるべきであり――、だから、この買収提案は十分に調査し、代替案を探るべきである。

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