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MicrosoftのYahoo!買収提案めぐる公聴会、土壇場で中止

» 2008年02月10日 15時31分 公開
[Roy Mark,eWEEK]
eWEEK

 米Yahoo!を446億ドルで買収したいというMicrosoftの提案をめぐり、米下院司法委員会は2月7日、予定していた公聴会の中止を決めた。プライバシーおよび独禁法問題にまつわる米国議会の拙速な公聴会ラッシュにストップがかかった形だ。

 2月1日に買収提案のニュースが報じられた翌日、下院司法委員会議長のジョン・コンヤーズ議員(ミシガン州選出・民主党)は、議会として正式にこの案件を監視するため、反トラスト・競争特別委員会で2月8日に公聴会を開くと発表した。

 コンヤーズ氏と有力議員のラマール・スミス氏(テキサス州選出・共和党)は、公聴会開催について2月2日に談話を発表し、「MicrosoftのYahoo!買収提案は、IT企業の合併としては過去最大級となり、インターネットの競争展望に重大な問題を投げ掛けるものだ」と述べていた。

 しかし2月7日遅く、下院司法委員会は公聴会の中止を決めた。委員会に近い筋によれば、中止の理由は「スケジュールが合わなかった」ことが原因。誰が証人として出席するのかは未発表のままで、同委員会広報によると、後日開催に向けて証人選びが進められているところだという。具体的な日時は決まっていない。

 数日前には商業・貿易・消費者保護小委員会のボビー・ラッシュ議員(イリノイ州選出・民主党)が、買収提案についてこの春に公聴会を開くと表明した。

 ラッシュ氏と有力議員のエド・ウィットフィールド氏(ケンタッキー州選出・共和党)は2月5日付の共同声明で「当小委員会は、この行為に伴う競争および消費者のプライバシー問題について調査するため、適切な政府規制当局者から非公開で説明を求め、公聴会を開く意向だ」と発表した。

 ウィットフィールド氏は別の声明で次のように述べている。「検索とネット広告分野における最近の合併で、プライバシーにまつわる相当の懸念が浮上している。(ラッシュ議員と)協力し、こうした企業が消費者のインターネット利用についてどのような個人情報を収集しているのか、こうした情報を将来的にどのように組み合わせて利用するのかについて調査したい」

 上院では反トラスト・競争・消費者の権利に関する司法小委員会のハーブ・コール議員(ウィスコンシン州選出・民主党)も、MicrosoftのYahoo!買収について公聴会を開くと表明している。

 「Microsoftの今回の発表は、この提案そのものが実現するかどうかにかかわらず、インターネット広告業界の再編が今後も続くことを示すものだ」とコール議員は声明で述べている。

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