ITmedia NEWS > セキュリティ >
セキュリティ・ホットトピックス

「私はウイルス」と名乗るマルウェア、詐欺的ソフトと連動の新たな手口?

» 2008年03月04日 11時13分 公開
[ITmedia]

 ロシアのセキュリティ企業Kaspersky Labは3月3日、「MonaRonaDona」というマルウェアについての報告が過去1週間で激増したと伝えた。

 MonaRonaDonaはインストールされると、システムに「Welcome To MonaRonaDona」というアラートを表示する。「わたしはMonaRonaDona。あなたのPCを破壊するウイルスです。世界中の人権侵害に抗議する目的で作成されました」といった内容が英語で記されている。

「Welcome To MonaRonaDona」と自己紹介する(Kasperskyのブログから)

 起動するとWindowsタイトルバーにある日付と時刻、Windowsタスクマネージャ、Google Talk、Microsoft Officeなど多数のアプリケーションを終了させ、IEタイトルバーにMonaRonaDonaの名称を表示する。

 MonaRonaDonaがどうやってシステムに感染するのかは現時点では不明。ユーザーの目に付きやすい形でMonaRonaDonaの名が現れるのは、ユーザーがこれについての情報を検索するよう仕向ける狙いがあるとみられる。

 MonaRonaDonaを検索した結果ユーザーが行き当たるサイトでは、「Unigray」という聞きなれないウイルス対策ソフトを奨励している。

MonaRonaDonaだけしか駆除できないツールを購入させようとする(Kasperskyのブログから)

 このソフトを使うと、システムがマルウェアに感染しているとする偽の警告を200件近く表示する。しかしKasperskyで分析したところ、Unigrayが実際に駆除できるのはMonaRonaDonaだけであることが判明。しかも39.90ドルを払う必要があるという。

 MonaRonaDonaとUnigrayの背後に同じ組織があることはほぼ間違いないとKasperskyは断定している。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.