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“飛び出すテレビ”が家庭に 4月発売

» 2008年03月31日 16時45分 公開
[岡田有花,ITmedia]
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 専用眼鏡をかけると、映像が立体的に迫ってくる――遊園地や科学館のアトラクションなどでおなじみの“飛び出す3D映像”が、この4月から一般家庭でも楽しめるようになる。

 3D再生専用の映像は、昨年12月に開局したBSデジタル放送「BS11」が、開局当初から毎日、実験的に放送してきた。だが対応テレビが未発売。普通のテレビで見ると縦長の画面が2つ並んで映るだけで、3Dで見ることはできなかった。

 4月10日に新たに、3D放送に対応した46V型ハイビジョンテレビが、全国のビックカメラ店舗で発売される。ヒュンダイITジャパン製で、価格は50万円前後になる見込みだ。

 「今年は3D放送元年になる」――3月30日まで開かれていた「東京国際アニメフェア2008」(東京ビッグサイト)に、BS11を運営する日本BS放送(ビックカメラ子会社)が出展。3D映像体験コーナーで3D放送をアピールしていた。

今年は3D放送元年

画像 裸眼で見ると、同じような2つの画像が少しずれて重なって見える

 BS11はこれまで、対応テレビが未発売のまま3D映像の放送を続けてきた。「3D放送の技術自体はかなり前から実用レベルでやろうと思えばどこでもできる。だがどこも商品化してこなかった。お見合いしていても仕方がない。他社に先駆けて撮影や放送のノウハウを蓄積し、先行者利益を得たい」と、同社宣伝広報部の中根洋一さんは話す。

 3D映像は、左目用と右目用の2つのカメラで撮影する。普通のテレビだと、それぞれのカメラで撮影した2つの画面が左右に並んで表示されるが、特別なチューナーと偏光フィルターを積んだ対応テレビなら、2つの画像が少しずれて重なって見える。専用眼鏡でこの映像を見ると、奥行きのある3D映像を視聴できる。

 これまで3D放送してきたのは、スポーツ中継や自然風景の映像など。「サッカーだと布陣が立体的に分かるし、ゴルフのパットシーンでは、グリーンの起伏が分かる」――半年弱の実験で、3Dに向いたコンテンツも見えてきたという。「地上波テレビではできないことをやりたい。今年は3D放送元年になる」と中根さんは意気込む。

フルHDの立体映像も

画像 DANDYは箱状の専用ディスプレイで視聴

 アニメフェアでは、立体映像の展示がほかにもあった。3Dの映像制作からハード販売までを行うRedrover Internationalのアニメ「DANDY」を紹介するブースで、3D表示専用の液晶ディスプレイに映る立体アニメを、専用眼鏡で見ることができる。

 ディスプレイは液晶パネルを2枚利用しており、フルHDの高画質が売りだ。「フィルターを使った立体映像だと縦の解像度が半分になるが、パネルを2枚使えば解像度は落ちない」といい、映像制作現場や、遠隔医療の現場向けに2004年から販売してきた。

 DANDYは、「美女と野獣2」を製作監督したアンディ・ナイトさんが総監督を務めるアニメ。今年秋に世界でテレビ放送し、その後立体アニメとして劇場公開する予定だ。

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